美術と展示空間

美術というと、絵を思い描く方が多いと思います。しかし、美術という言葉が指し示す範囲は、案外広いのです。

例えば、立体的な作品があります。石膏とか金属で、生き物の形や抽象的な造形を表現することがあります。

また、空間自体を美術として表現することがあります。平面や立体を組み合わせたものや、音響や光、時には舞踏や演奏を伴う場合もあります。このような空間自体を美術とする表現を、インスタレーションと呼びます。

これらが設置される場所として最も多いのは、美術館の中だと思います。美術館の中には、年間を通してほとんど展示内容が変わらない常設展と、そのときどきのコンセプトによって期間限定で展示される企画展があります。

また、それ以外にも、公園や公共施設、ビルの中や店舗の一角に美術が展示されることもあります。小さなカフェの壁に飾られることもあれば、広場の中心にそびえ立つこともあります。

美術はとても多様で、様々な場所で出会うことができるのです。