【詩】存在

徹底的に冷たい世界で
生きる
叫んでも報われない世界で
期待が無に帰す世界で
それでも私は生きている
逃げ出したくても逃げられない
いっそとは思うけれど
私は
生きていくしかない
目を閉じて眠り
思考を閉じようとしても
すぐにまた眠りから覚め
言葉は思考を取り戻す
耐え難い痛みを
分かち合うこともできずに
孤独に
生きる
そして叫ぶ
どこにも届かない言葉を抱えながら
誰にも届かない言葉をそれでもなお
ひたすらに叫んでいる
言葉は静寂の中で
生み出された意味に戸惑いながらも
その役割を見出だせずとも
ただひたすらに
虚空を揺らし
そこに
世界を
造り出す
世界は
そうして
存在している

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詩（2023年9月～）｜吉村ジョナサン｜note