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12時までの夏休み【ショートショート】
夏休み明けの始業式の日、教室でタケシがつぶやいた。
「あーあ、もう夏休み終わりってつまんないの。9月が終わるまで休みだったら、もっと勉強がんばるのに。」
「だね。勉強しなさいって言うより、そっちの方が断然いい。先生たち、分かってないよね。」
マサトも調子を合わせる。
ちょうど話の途中に、担任の小林先生が教室に入って来た。
「タケシ、マサト、おもしろいこと話してたな。どうだ、クラスのみんなが賛成するなら、やってみるか?」
「え、いいの?」
「やったー!」
盛り上がる教室。
「ただし、条件がある。休みを増やすなら、どこかで登校日の調整が必要だ。一ヶ月だと、冬休みと春休みがなくなる計算だな。それを踏まえて考えるように。」
ホームルームの時間いっぱい使って話し合い、こんなアイデアが生まれた。
9月30日まで、午前中を夏休みとする。午後は授業で、みんなが集中して取り組めば、冬休みと春休みは削らなくてよい。
ただし、夜更かしして授業中に居眠りしたら、その時点で夏休みは終了。
その名も、『12時までの夏休み』。
8月の夏休みをダラダラ過ごしたタケシたちも、寝過ごしたらもったいないと早起きするようになった。授業に抜群の集中力を発揮しただけでなく、みんなで励まし合ってチームワークも向上した。
その様子が地元の新聞に掲載されたと思ったら、たちまち全国ニュースで話題になり、どうやら来年度の全国展開に向けて文部科学省が動き出したという噂が、SNSで話題になっている。
ー 了 ー
◇
先週まで3週間にわたって受講した、田丸雅智さんの「物語の発想法を学ぶ」講座。
オンライン配信を視聴しながら、お題に対して参加者がコメントを書いていく。リアルタイムで拾ってもらい、さらに話しを深掘りする。そんなスタイルで進められました。皆さんのコメントに、そんな発想もあるんだと驚かされ、いい刺激を受けて自分のアイデアも膨らみます。
今日の「12時までの夏休み」は、その時に生まれたアイデアです。
コメントを書いたら、講座中に拾ってもらい、講師陣のみなさんに盛り上がってもらえました。すごく嬉しかったです。
それから一週間かかって、ようやくひとつ書き上げることができました。まだまだ粗削りですが、どうでしょうか?
もっと話しを膨らませたり、もっとがっつり削ってシンプルにしたり、どちらも取り組みがいがありそうな気がしています。
今回の講座のアーカイブ動画、開始時間を「12時までの夏休み」のシーンに設定して載せてみます。51分20秒からです。
「12時」をお昼と深夜のどっちをとるかで話しが変わってもおもしろい、と言われたのも、いい勉強になりました。
第1回目から3回分の動画は、講座案内のnote記事からチェックできます。ぜひ一緒にワークに取り組んでみてください。
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