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テロリストのパラソル【読書のきろく】

図書館で本を探しているときに、名前がぴょんと目に飛び込んできました。自分と同名の作家さんに、勝手に親しみを覚えて借りた本。調べてみたら、藤原伊織さんの代表作で、江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞している作品でした。

本名は別の名前なので、そのままだったらこのタイミングの出会いはありませんでした。名前がつないだご縁。こういうのもいいですね。

物語の中でも、名前は重要なカギのひとつでした。

舞台は、新宿中央公園。あるおだやかな土曜日の朝に、突然起きた爆弾テロ事件。20年以上昔の友人関係と、新たに出会った人間関係が絡み合いながら、事件の真相に迫っていく。誰と誰が、どこでつながるのか?時間と場所を行き来しながら少しずつ解き明かされていく展開は、スピード感があってドキドキしながら読み進めました。

解説にも書かれていましたが、登場人物が魅力的。一人ひとりが、しっかりと持ち味を発揮しています。だからこそ、そのつながりのおもしろさが、さらに深まるんだと感じさせてくれました。

最初の爆弾テロの場面は、悲惨な現場ではあったけど、物語の一部として受け止めて読むことができました。個人的には、残酷なシーンは苦手ですが、状況を伝えつつ残酷過ぎないバランスが、僕にはちょうどよかったのかもしれません。緊張感と疾走感を楽しませてくれたミステリー作品。すごくおもしろかったです。

読書のきろく 2020年62冊目
「テロリストのパラソル」
#藤原伊織
#角川文庫

#読書の秋2020

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