即興演奏概論 序
音楽において即興演奏というとよくあるのが、ジャズにおけるソロの時に行われる各パートが音のキーに合わせソロパートをその場で作り演奏するといったものが一般的に有名な物だと思います。
そのように、その場で演奏を作る行為を即興演奏と呼び、古くではバッハ、モーツァルト、ベートヴェンなどのクラシックの大家も即興演奏を行っていたとされ、音楽家、とりわけ作曲家などはその場で演奏を作り出す行為が音階や和声を作り出すのに必要不可欠な行為となります。
クラシック、ジャズ以外ではいわゆる民族音楽のカテゴリ、インド音楽やガムランなどではこの即興を主に演奏を展開していく手法を取っており幅広くその場で音を紡ぎだす即興演奏が行われています。
近年ではフリーインプロヴィゼーションという完全に決めごとを作らない物もあり、こちらは音楽療法でよく行われたりしています。
イギリスのインプロバイザーとして名高いデレク・ベイリーはイディオマティック・インプロヴィゼーションとノン・イディオマティック・インプロヴィゼーションといったイディオム、すなわち文節に伴って展開していくのか、そうではないのかといった分け方を提唱しています。
イディオマティック・インプロヴィゼーションで分かりやすいのは先に挙げたジャズのソロをキー、コード、メロディーなどに沿って即興を展開していくものでノン・イディオマティック・インプロヴィゼーションはいわゆるフリーインプロ等背後に何もない状態で即興演奏を行う事に当たります。
ここでは、主要な民族音楽の中、現存する比較的名のある音楽の系統において即興演奏がどう扱われているのかを描いていこうと思っています。
インドのラーガ、フラメンコ、バロックや教会音楽、ロック、ジャズ、現代音楽、そしてそこにつらなる数々の民族音楽や、現行における即興演奏がいかなるものかを語っていきたいと思っております。
少しの間お付き合いくださいませ。
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