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米国発前川のニュースレター

いつも前川のニュース・レターを読んで頂き、ありがとうございます。
今週の写真は私のオフィスがある建物の向かい側にあるショッピングセンターに飾り付けられたクリスマスツリーです。ショッピングセンターは、感謝祭を飛び超えて、一気にクリスマス商戦入りです。紅葉がみられる中で、今日はインディアンサマーで26度です。砂漠からの温かい風が吹いています。ツリーの後ろからはまるで夏の様な太陽が輝いています。世界は混乱していますが、この写真を見ると平和そのものです。しかし、コロナ前とはどうも雰囲気が違います。


本日11月20日のニュースレターをお送りいたします。

【株式・為替市場の動き】
本日、株価上昇、為替市場は円高となっています。 先週来、FRBの政策金利引き上げの打ち止めがほぼ市場の共通認識となったことで、株価上昇に続き、ドルの独歩高が修正され始めました。 金利が高いドルが買われていた為、円安が高進していましたが、ドル価格が下がり、円高が進んでいます。
 
ダウ工業株は203.76ドル高の35,151.04ドルと8月中頃以来の高値で終了しました。S&P、ナスダックも上昇。米国債の利回りが下がり、(国債が値上がり)すると、長期金利が下がりますので、銀行など国債を大量に保有しているところの資産が増えることになり、また企業や投資家の資金調達コストが下がります。そうなれば、企業業績に好影響を与えますので、景気後退が誰にも意識されるようになるまでは、引き続きの株価上昇となるでしょう。恐らく、12月のFOMCで金利据え置きされるでしょうし、さらにCPI(消費者物価指数)の低下や雇用統計などの発表が予想以上に進めば、円高、ドル安が加速しそうです。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
今日は1ドル148.36円と先週から大きく円高に振れています。やっと待ちに待った円高と長期金利(ローン金利)下落のサイクルに入り始めた様です。約3円50銭、一挙の円高でした。米国債の利回りは先週から若干の下落です。引き続き流れは利回りの下落が続きそうです。現在のローン金利は8%弱ですが、インフレ率は3.2%なので、実質4.8%です。インフレ率がFRBのターゲットの2%まで下がると実質金利が同じ4.8%としてもローン金利は6.8%に下がります。国債の利回りが現在は4.426%となっており、この利回りがドル安と共に下がって行くとローン金利も下がり、来年の前半には5%台に下がって行っても不思議ではありません。そうなれば、今まで物件を売るのを躊躇っていた売り主も、購入を待っていた買主も動き始めるでしょう。買主が動き始めると物件価格が上がると考えられますが、売り物件の数も増えるので、大きく値上がりすることは無いと私は考えています。これからFRBの政策金利の急激な利上げによる影響が出てきて、徐々に失業率が高くなり、景気後退が起こってくると思うからです。景気後退で住宅購入意欲を削がれる所得層も一定数いますので、その分、物件の購入者数が減ると思われます。それらの層は景気後退後の景気回復期まで購入を待つでしょうから、レント需要は大きくは後退せず、それこそ絶好の物件購入期が訪れるのではないでしょうか? 
 
この所住宅ローン金利がじわじわと下がっています。その流れを受けて住宅ローン申請件数も増え始めました。しかし、一般の売り主、買主はこの流れを未だ十分意識していないでしょう。 不動産の売れ行きが悪かったので、全米規模で、値引きや修繕費用を売り主が支払うなど、何らかの形で値引きや譲歩した売り主の率が増えています。また、ローン会社もいろいろな新しい買主にメリットのあるプログラムを出し続けていますので、今後は売買件数は増えてくるのは間違いないでしょう。 現在値引きや譲歩が少ない街はBoston, San Jose, New York, Philadelphia、Chicagoとなっています。逆に値引きが最も一般的になって来ている街はChicago, Phoenix, Philadelphia, San Diego, Washington DCです。

次に、ローンプログラムでも物件購入を後押ししている者が多数ありますが、その中の1つで私の所属する銀行でも始めましたPathwayと言うプログラムがあります。このプログラムは初めて物件を購入する方の為、$8,000をギフトとしてくれるものです。条件は自宅として、初めて物件の購入する方で、以下の場所に現在住んでいる方が対象です。ただし、このプログラムは米国在住者のみとなります。
 
• Atlanta-Sandy Springs-Roswell, GA
• Baltimore-Columbia-Towson, MD
• Brownsville-Harlingen, TX
• Chicago-Naperville-Elgin, Il-IN-WI
• Cleveland-Elyria, OH
• Dallas-Fort Worth-Arlington, TX
• Detroit-Warren-Dearborn, MI
• Houston-The Woodlands-Sugar Land, TX
• McAllen-Edinburg-Mission, TX
• Memphis, TN-MS-AR
• Miami-Fort Lauderdale-Pompano Beach, FL
• New York-Newark-Jersey City, NY-NK-PA
• Oklahoma City, OK
• Orlando-Kissimmee-Sanford, FL
• Philadelphia-Camden-Wilmington, PA-NJ-DE-MD
• Phoenix-Mesa-Chandler, AZ
• Riverside-San Bernardino-Ontario, CA
• San Antonio-New Braunfels, TX
• St. Louis, MO-IL
• Tampa-St. Petersburg-Clearwater, FL
• Washington-Arlington-Alexandria, DC-VA-MD-W
 
【経済の動き】
今週の経済の動きの特筆事項は何と言っても円高へのシフトですね。先週初めは1ドル152円直前まで進んだ円安ですが、11月14日に発表されたCPIが予想を下回って低下し、インフレ減速が改めて確認されたことにより、市場は今後のFRBの利上げは打ち止めと確信を得、何時利下げに入るかへ予想を始めています。現在148.31円となっています。 これまでは、日銀がYCCの1%上限を柔軟に運用すると金利上昇容認と取られる発表をした後、金利が上昇。日米の金利差が縮まったので円高に動くと思われましたが、逆に円安へと動いてゆき152円近くまで上昇しました。その理由としては、通常、国債の金利が上昇するという事は、国債の値段が下がるという事になります。
値段がこれ以上下がると損をするので、国債の保有者は日本国債を売って、金利の高い、これから値が上がりそうな米国債を買う動きを強めたので、円を売ってドルを買うという事で円安、ドル高が進みました。しかし、CPIやPPI,失業率などその指数もインフレ減速、景気後退を示していますので、今後はFRBは利上げ打ち止め、その後利下げへの舵を切るとの認識が共有されて、ドル安の動きから、円高になって行きました。この動きはこれからも続いてゆくと思われます。高金利、円安は峠を越えて、下り坂に向かい始めました。 これからは当分株高、徐々に国債の利回り低下、ローン金利下落が進んで行くと思います。この状況は不動産購入者、特に初めての購入者にとってはどれだけ待てばいいのかわからない難しい状況に入って来ます。今まで、私は2回ほど同じ状況を経験しました。
まだ物件価格が下がる、ローン金利が下がると根拠なく思ってしまうのは人情です。プロのアドバイスを信じて購入するのが最善の方法だと私は思っています。待ちすぎて、良い物件を逃して、値段が上がり始めてからやっと購入しようとし始める方々を何人も見てきました。あるエコノミストによる今後のドル円レートの予想ですが、来年には130円台、数年後には110円から115円と見ています。私は、来年には130円台十分あり得ると思いますが、数年後は円高から円安へとまた戻ると予想しています。 その理由は、日銀のゼロ金利政策の解除と日本経済の悪化があると思うからです。
 
不動産・住宅ローン金利動向の所でも少し触れましたが、米国経済の行方はかなり落ち込むと私は見ています。既にデフレに入っていると認識している投資ファンドの社長の意見もありました。 理由は今まで何度か述べてきたFRBの利上げの影響がじわじわと出てくること、オフィス需要が減退、商業物件の売買が減少、商業物件への貸し出しが多い地方銀行の業績が悪化、財政支出の増加などによるドル安の影響で輸入物価の上昇が不景気を悪化させると考えられます。さらに、浮浪者、不法移民の増加なども上げられます。 そうなれば、失業者が増加、差し押さえされる前に物件を売る人が増えてきます。不動産相場が下がる前に売り抜けようとする投資家もいます。ですから住宅市場では売り物件が増えて、値段が下がり、購入者にはメリットが出ますが、低所得者にとっては物件購入が難しくなり、レント需要が高まることになります。投資物件を安く買い、高いレントが取れる投資家が儲けられる状況が現出するという見方です。勿論、世界情勢にも、来年の大統領選挙の結果によっても大きく状況が変わる可能性がありますが、今のところは上記のように考えるのが妥当だと私は考えています。
 
 
【今週の???な国際ニュース】
サンフランシスコでAPEC首脳会がは開かれました。浮浪者であふれた街が突然きれいになったのは、その為です。米中首脳会談が行われましたが、習近平をお迎えしたのは、バイデンではなく、イエレン財務長官など閣僚と連邦議会銀だったのですが、真っ先に握手をしたのがカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムでした????何故? ニューサム知事は先月も訪中して習近平と会談した親中派です。バイデンが大統領選挙に出なければ
ニューサム氏が第一候補となるとのもっぱらの噂です。恐らく間違いないでしょう。物価高、治安悪化、行き過ぎた環境政策、高い税金などカリフォルニア州の人口流出の原因を作っている、ろくなことをしないと悪評が高いニューサム氏が米国の大統領になったらと思うとぞっとします。
米中会議では特筆すべきことは無く、台湾問題は物別れ、米国側の参加者にオースチン国防長官が出席していない。会議終了後の記者会見で、バイデン大統領は習近平は独裁者だと発言。中国は認識の誤りと抗議しました。本気で米中関係を改善して、世界経済、世界平和に貢献しようとは思っていないような会議と言えば言いすぎでしょうか?
 
戦争を長引かせるだけのウクライナ戦争の戦費支出を下院議会は承認せず、イスラエル支援では世界中から非難を浴びているバイデン政権は世界中を敵にしている様相を呈してきました。日本だけがそれでも米国民からも見放され始めた、ボケ始めた親分にこれからもついてゆくのでしょうか? 
 
 
 
【豆知識】
もうすぐ、米国ではThanksgiving Day、日本では勤労感謝の日です。日本の勤労感謝の日は戦前は新嘗祭と言う祭日でした。
祭日と祝日の違いは?
 
祝日は国の法律で定められた休日のことですが、祭日は休日ではなく、神社のお祭りや皇室の祭典など宗教儀礼を行う日のことです。戦前は休日の祭日もありましたが、名前を変えて由来を隠して、現在の祝日に引き継がれている祭日もあります。 これはGHQが神道や皇室の行事に由来する祭日を廃止するために行った変更でした。現在は一般国民は祭日をお祝いする方はごく少ないのですが、未だに祝祭日と言いますね。

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