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加茂佳子
2020年10月18日 18:50
9月10日、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾のAmbitionジム移籍第一弾の試合発表があった。出席者は比嘉と野木丈司トレーナーの2人。Zoomでの会見だったが、こういう状況でなければどこかの会場で対戦相手とともに開かれていたかもしれない。相手は堤聖也(角海老宝石)。5戦4勝1分の日本ランキング13位。16勝16KO1敗。WBA世界バンタム級9位及びWBC世界バンタム級8位の比嘉と比すれ
2020年10月26日 13:30
今年2月、野木丈司トレーナー不在のまま、比嘉大吾は1年7ヶ月ぶりのリングに立った。その三日前だった。ミット、持ってもらえませんか?比嘉が野木トレーナーの元にやってきた。ボクシングに復帰すると決めてから、比嘉は「階段」を含め野木トレーナーのフィジカルトレーニングに参加していた。だが計量失格の責任を取りジムを辞していた恩師とは、この先一緒にリングに上がることができない。なんとか道を探
2020年12月4日 19:52
連載の続きをなかなか書き進められずにいた。比嘉大吾について、どこまでどう書くべきか判断をつけ難かったのだ。頭を悩ませていたのは、彼の心のありようについてだった。それはボクサー比嘉大吾の本質、強さの根源に関わる重く大きな問題であって、書くことに躊躇してきたのは、言うまでもなく彼が現役だからである。堤聖也との試合。比嘉は防御スキルや堤が「大誤算」と言った高精度のジャブなど、これまで披露しなかっ
2020年12月31日 13:39
引き分けた堤聖也との試合。後日、あの日の、らしさのない戦い方について尋ねたときだった。「ボクシングだけでやっていこうという覚悟がまだできなかったんじゃないですか。それがあの日のボクシングに出たんじゃないですか」と比嘉大吾は言った。攻めの姿勢を欠いている自覚はあった。ただジャブがうまく機能しているという感触があったから、このままリスクを冒さず判定で勝てばいいと思っていた、と言い、そういう