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楽な道を選べないのは「私だけが幸せになってはいけない」と思っていたから

目の前に簡単にうまくいく道と大変だけど同じようにうまく行く道があったら、どちらを選びますか?

私は迷わず大変な方を選んでいました。というか、大変な道しか見えていなかったんだと思います。

実はこのことに全く気付いていませんでした。以前働いていた職場の仲が良かった先輩から「いつも大変な方を選ぶよね」と言われて初めて気が付いたのです。

言われてみれば図星でした。確かにちょっと頑張って積極的に行動しないと付き合えそうにない人を好きになっていたし、仕事では毎日就業時にヘトヘトになるくらいの仕事量がある職場を選んでいました。もっと楽にうまくいくかもしれない恋愛や楽に稼げる職場もあったはずです。でも全然興味を持てなかったんですよね。

その理由を考えた時に「少し大変じゃないと飽きちゃうからかな?」とか「少し大変な状況にいれば成長できると思っているからかな?」とか「刺激的な生活がしたいのかな?」とか色々考えましたが、全然しっくりくる答えにたどり着けませんでした。

そんなある日、どうしても心がしんどくて心理カウンセリングを受けたことが答えにたどり着く大きな転機になったのです。

心理カウンセリングでは今までの経緯や今の気持ちをたくさん話して、少し間を置いて心理カウンセラーさんがポロッと言いました。

「私だけ幸せになってはいけないと思っていませんか?」

衝撃的でした。全く自覚がなかったので。でも、大正解でした。


遡ること十数年。私が小学生の時に姉が病気になりました。すぐに治る病気ではなかったので長い闘病生活が始まりました。現在姉は元気に生活していますが、当時はまだ十代だった姉にとっても主に看病をしていた母にとっても闘病生活は決して楽な日々ではありませんでした。

そんな様子をみていた小学生の私は幸せを満喫することを遠慮するようになったんだと思います。

母と姉は優しい人なので私が楽しいことがあったり嬉しいことがあったりすると素直に「良かったね!」と言ってくれる人でした。もちろんそこには嘘はありません。

でも私は笑顔の奥が寂しそうに見えてしまったのです。だって、めちゃくちゃ大変そうだったから。小学生の私は言葉に明確に説明できなくても、なんとなく「私だけが幸せになるのは申し訳ない」と思ってしまったんだように思います。

小学生の私にとっては自分の気持ちを言語化する能力が未発達だったので、記録も記憶もあいまいですが、きっと、そうだったんだと思います。


心理カウンセリングでは「私だけが幸せになってはいけない」という遠慮を手放すために心理カウンセラーさんに繰り返し言ってみてくださいねと言われた言葉がありました。

それは、「私だけが幸せになっていい」という言葉でした。

私の心は葛藤しました。大人になっていた私の中には「私だけが幸せになっていいわけがない」は遠慮を通り越して確固たる信念に変わっていたからです。

それでも、とんでもなく強い抵抗感を感じながら言い続けてみたら、ふと気付いたのです。

姉も母も不幸だったわけじゃないし、なんなら今も昔も幸せたったということ。そして、幸せになることになんの遠慮もいらないし、「私だけが幸せになってはいけない」という信念を捨てていいことにやっと気付けたのです。

そこからは大変な道を選びそうになっても「私だけが幸せになってもいい。というか、みんなも幸せなんだから何も気にしなくていい」と思えるようになって、無意識に大変な環境を選ぶことはだいぶ減ってきました。

まだまだ大変な道を選びたくなる癖は残っているので、無意識に大変な道を選んでいることもあります。そうなっても、その道も楽しんでいこうかなって思っています。

ただ最近また「私だけが幸せになってはいけない」がひょっこり顔を出した出来事がありました。


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