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個人のハッピー、エンタメ、社会貢献。3つがブロックチェーンゲームでなら叶う

ぼくはいま、ゲームをつくりながら、未来を開発しています。

ん? 未来開発??

ハテナが頭に浮かんだ人も、少なくないでしょうか。

ゲームに人生を捧げてきたぼくは、ゲームの力を誰よりも信じています。だから、その力を生かすことで、簡単には解決できない世の中の課題を解決していける。そう考えているんです。

そんななか出会ったのが、インフラという社会課題を『TEKKON』というゲームで解決することを発想した、Fracta(フラクタ)CEOの加藤崇さんでした。

ゲームとして、まちにあるマンホールの写真をみんなが撮ってアップする。それが、耐用年数が過ぎたマンホールのふたが放置されているという、行政も認識している課題の解決につながります。しかも、ブロックチェーンで管理しているため、ゲームを楽しめば楽しむほど、収入が入ってくるユーザーを増やすことができるのです(『ゲーム業界で40年ヒットをつくってきた男がいま、Web3.0に挑む理由』)。

そんな『TEKKON』の開発チームにぼくが入ることで、本格的なエンターテインメントとしてのおもしろさも備えつつ、かかわる全員がハッピーになる仕組みも備えたゲームが生み出せるようになるぞ。そう、期待に胸が膨らみました。

今日は、『TEKKON』という社会貢献NFTゲームにかかわることで叶えたいぼくのビジョンについて、もう少し詳しく書いてみます。

「ゲーム20年やってます」が評価される未来をつくる

たとえば、「⼦どものころからずっと、バレエを習っています」「空⼿を続けていて、段位を持っています」。これらは、賞賛されますよね。習字やそろばんでだってそう。長く続けていれば続けているほど、だいたいほめられます。実生活に役立つ役立たないにかかわらず、です。

なのに、「⼦どものころから20年以上ゲームやってる」は、否定されてしまう。

それが悔しくてたまらない。

ここ数年でようやくeスポーツが認知されるようになり、日本でもプロとして生活していける人が出始めました。ただ、サッカーやテニスのように、コーチやスタッフといったプロ選手以外の職業がたくさんある競技に比べると、まだほど遠いというのが現状です。

ブロックチェーンの登場で、ゲームで“遊んで”家が建つ?

ゲームを続けていることが評価され、生計も立てられ、「あの家、ゲームの稼ぎで建てたんだよね!」となるような状況が、当たり前になってほしい。「継続は⼒なり」を、ゲームの世界でも当たり前にしたい。Web3でなら、そんな未来を実現できる可能性があるんです。

前回の対談『「安心してお金持ちになる」未来に必要なこと』でも話をしましたが、Web3ゲームとトークン(暗号資産)は密接に結びついています。

その1つに、DAO(ダオ)というWeb3の概念があります。

DAO(Decentralized Autonomous Organization:自律分散型組織)とは、ブロックチェーンの登場によって、組織自体がフラットに、自律的に活動し続けられる仕組みです。ブロックチェーン上で実行されるルールを共有し合い、発行できる様々なトークンを利用して、参加者へ分配をすることができます。日本はいまの時点では独自通貨をつくるところに高いハードルはあるものの、近い将来状況は変わるでしょう。

トークンによって成り立つのが、まさに「共創」の世界観であり、自分たちのコミュニティ組織であるDAOに貢献すればするほど、個人も報われることになるのです。

だからこそ、ブロックチェーンゲームでなら、「遊んでいたら、いつの間にか(組織に貢献していて)お金が増えていた!」が実現できる

つまり、Web3にはすべてのゲーム関係者の夢が詰まっているのです。

そんなゲームコンテンツと仕組みをつくるのが、ぼくの見ているビジョンです。

みんなが「ゆっくりお金持ちになる世界」が理想的

つくりたいのは、生活の基盤を支えるお金をゲームで稼げるようになり、ゲームを続けるだけでお金持ちになれるような世界です。

「投資の神様」と呼ばれる、億万長者のウォーレン・バフェットという人がいます。彼は、長期投資しかしないことで有名な投資家です。あるとき、「なぜ、みんなバフェットさんのやり方を真似してお金持ちになろうとしないんですか?」と質問されたそうです。

それに対する彼の答えは、「自分は特別な方法は何もしていない」「ゆっくりお金持ちになりたい人は、いないから」だったそうです。

お金持ちになろうとするだいたいの場合、⼀気に10倍にしたいなど短期的に考えてしまいます。でもそうではなく、ゆっくりお金持ちになることを続けさえすれば、誰でも自分のようになれると彼は説いたのです。

40年、50年ただゲームが好きで、ゲームを楽しむ。

ゲームに“時間を投資した”インセンティブとして、仮想通貨が貯まっていく。50年経つことで、昔買ったNFTの価値がいつの間にか上がっていた、あのときもらったトークンを換金したら大きな価値になっていたーー。そうやって、少しずつお⾦持ちになっていく。そんな人が増えていく。それが、ぼくが目指す未来です。

現MIXI代表・木村弘毅氏との出会い。『モンスト』初期開発へ

そんな理想を実現させるためには、長く遊ぶことに耐えうる、おもしろいゲームをつくることが欠かせません。おもしろいから、楽しいから、人は継続できる

社会貢献しながら稼げる、Fix to Earnゲーム『TEKKON』の理念と志は素晴らしい。でも、美しい理想だけでは人の興味や関心は、続きません。エンターテインメントが必要です。

思い返すと、出始めたころのケータイゲームやアプリゲームは、おもしろくありませんでした。ボードキーを連打していくだけで、体力を消費しました。回復したら、またプレイする。早く回復したいなら課金する。

ケータイアプリゲームはゲームでなく、集金マシーンでした。

ぼくが人生を捧げてきたゲームのおもしろさとは、こんなもんじゃない。もっとゲームじゃないとダメなんだ……! 地団駄を踏むような想いでした。

そんななか、現MIXI代表・木村弘毅くんに誘われ、『モンスターストライク』の初期開発にかかわりました。そして『モンスト』は、いまなお愛され続けるゲームに育ってくれました。

現状のWeb3ゲームも、「あれはゲームじゃない」といわれたケータイアプリゲームと状況は似ています。ここから「おもしろいゲームだってつくれる!」という方向へ、変えていかないといけない。

おもろいゲームに必要な4つの条件

では、「おもしろいゲーム」とは、なんでしょうか?

必要な条件は、4つあります。「聞いておもしろい」「見ておもしろい」「遊んでおもしろい」「繰り返しておもしろい」です。

まず、「聞いておもしろい」とは、「あの会社からおもろいゲームが出るらしい。こんな内容らしい」「まじ?」と、一言、二言の内容を聞いただけで耳がピクッと反応し、おもしそう!と惹きつけられるものです。

続く「見ておもしろい」は、実際にゲームの画面を見て「おもしろそう」と心が動くかどうか。CMやゲームセンターなどで、まだ遊んでないうちに画面を見ただけで「難しそう」「この絵柄嫌い」などと思われてしまうと、敬遠されます。

だから、ビジュアルもプロモーションビデオも、おもしろいが“見て”伝わるものをつくる必要があります。

3つめの「遊んでおもしろい」は、言葉の通り。実際にプレイして楽しいこと。ここは、ごまかすことはできません。

最後は、「繰り返しておもしろい」。昨今のゲームは、かつてのロールプレイングゲームと違って「クリア」がありません。ゲームの寿命は、長くなりました。何度プレイしてもおもしろいかどうかの重要性は、大変高まっています。

アプリゲームの代名詞といえる『パズドラ(パズル&ドラゴンズ)』はリリースから10年を超えましたが、いまだに売れていますからね。

以上の4つを満たすことができれば、ゲームは必ず、売れます

それはWeb3に場所を移しても、変わりません。ゲーム環境の問題ではなく、4つを満たすゲームを創り出すことが容易なことではないんです。でも、ゲームクリエイターである以上、そこにこそやりがいを感じています。

クリエイターもお金持ちになってほしい

ゲームを通して、お金持ちになってほしい。

これはプレーヤーだけではなく、クリエイターに対しても同じ想いがあります。20代のころのぼくは、どんなにヒット作を生み出しても薄給のままだったことが不満でした。同じ想いを、後輩たちに味わってほしくない。新しい価値を創り出せるWeb3でなら、本来潤うべきクリエイターに富がいく仕組みが叶うのです。

その土壌を育てつくっていくのが、ゲームクリエイターとしてのぼくの、最後の大仕事だと使命に感じています。


ゲームで、みんながハッピーに生きることにつながる世界へ

編集協力/コルクラボギルド(文・ぐみ、編集・平山ゆりの)


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