四、 日本語詩の意味するもの
芝溶の日本語詩は文法や言葉づかいのぎこちなさが妙な魅力になっていたりもして興味深いものですが、ほぼ同じ内容を朝鮮語と日本語で書いた詩が十七ほどあり、日本語の作品だけが残っているのは十篇です(*これはこの本を書いた時点での話で、その後日本語作品がいくつも発見されているようが、それは考察に含まれていません)。ここで、彼が日本語で詩を書いた理由を検討してみましょう。まず第一に、当時彼が口語自由詩のお手本にすることのできたものは日本語か英語、または日本語や英語に翻訳されたフランスな