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2023年に読んでよかった本3選


今年は仕事(デザイン)のための本ももちろんですが、次の分野の本を主に読んでいました。

  • データを正しく読み解くための本

  • 倫理や哲学に関する本

  • 認知や思考に関する本

どれも間接的にデザインに繋ぐことができるものですし、普段の生活でも知っているとよいものばかりです。

※この記事は「今年読んでよかった本 Advent Calendar 2023」の12月25日の記事です。

『「科学的思考」のレッスン』

「データを正しく読み解くための本」として紹介するのは『科学的思考のレッスン』です。

これは「科学哲学」という分野の本で、科学の本というより哲学の本です。「科学とは何なのか」を考えていきます。

巷では「科学的に証明された」だという謳い文句も飛び交っています。「あなたの言うことは科学的ではない」などと言って説得したりされたりした経験もあるかもしれません。ではそもそも科学的とはなんだっけというのを歴史を辿りながら紐解いていく本です。

『ふだんづかいの倫理学』

「倫理や哲学に関する本」として『ふだんづかいの倫理学』を紹介します。

これは「社会規範に関する本」つまり「倫理学」の本です。倫理の本は主に3種類に分けられる気がしています。

  • 倫理とはなにか

  • 倫理の歴史

  • 倫理に関する言葉はなにを意味しているのか

「倫理の歴史」としてオススメなのは『倫理学入門』、「善」「正しい」「すべき」といった「倫理に関する言葉はなにを意味しているのか」に関するオススメ本は『メタ倫理学入門』。そして、そもそも私たちが何をもって倫理だと言っているのか、「倫理とはなにか」に関するオススメが今回紹介する『ふだんづかいの倫理学』です。

「正しいものなんてない」とよく言う人ほど読んでみてほしい本です。「じゃあこの本には正しさがなにか書かれているんだな」と言われるとそういうわけではないのですが。

「正しいものなんてない」「正しさは時代や地域によって違う」などもよく聞きますが、「どの時代もどの地域も根本に共通してもっている正しさのルールみたいなものがあるよね?」という切り口で書かれた本です。「相互性」や「平等」といった考え方を見ながら紐解いていきます。

人は生きている以上不快なこともあるものです。法で裁けるものは法で裁きますが、法が介入しない程度には不快に思うこともあると思います。人と暮らす上で基準があるほうが嬉しいことも多いのです。そういったものを歴史を辿りながら考えてみようという本です。

『痛みの心理学』

「認知や思考に関する本」として紹介するのは『痛みの心理学』です。

「痛み」とは長らく侵害刺激としての反応だという認識をされていました。つまり身体が損傷してそれが脳に伝わる。しかし、痛みは感覚ではなく感情だとして、痛みとはなにかを紐解いていく本です。

「痛みの共感」神経基盤と痛みの関連脳領域は同じというのが面白かった。『虐殺器官』に「平気で人をあやめられるように脳の感じ方を改変するが、一方で自らの負傷を感知できない」シーンがあります。つまりそういうことなのだそうです。

そのため、「相手に共感できるかどうか」は「痛み」を感じられるかどうかとも関わります。痛みと共感に関する本でもあります。

仕事でもプライベートでも役立つ本

正しくデータを読みとき、正しさとはなにかを考え、人の認知に関わることを知る。よい議論をする上で欠かせない要素ではあるなと思います。欲をいうと、これに論理学も付け加えたいですね。

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