1日目 癸 真矢 視点
僕は昔幼稚園の先生に、"真矢くんは頭がとても良いから将来すごい人になるね"と言われたらしい。それを記憶としては持ち合わせていない。母から聞いた。ご丁寧に、"きっとお母さんの助けになるよ"と言っていた事まで伝えられ、僕は確かにその時イラだった。その時僕は既に保健室登校だった。やがて、保健室すら行きたくなくなり、けれども家に居たくなくて、図書館にばかり通っていた。
幼なじみの佐藤尚樹(さとう しょうき)は、ありがたくも学校に無理に来いとも、かといって僕との付き合いを投げ出すでも