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パッとしないリーダーに憧れている話

今では考えられないことですが、20年前の就職活動中に面接官から愛読書を聞かれたことがあります。もともと本好きの私は、珠玉の一冊を迷いましたが、吉川英治氏の「三国志」だと伝えました。(今、この手の質問は完全にアウトですね)

読み物だけでなく、横山光輝氏の漫画、そしてTVで放映されていた人形劇、TVゲームでも「三国志」の世界観が大好きでした。中国の三国時代、数多くの英雄が列挙し、武勇や知略で仲間を集め国を肥し、大陸の統治をかけた争いがとんでもないスケールで展開される物語に魅かれる人は多いと思います。

たくさんの登場人物の中で、今でも私は劉備玄徳に憧れています。何がすごいかというとその「人徳」がずば抜けているんです。ゲームのパラメーター(名作 KOEI 三国志風)で例えると、武力や体力、知力ははっきり言って「人並」です。戦っては負け続き。しかし、敗走しながらも民を捨てることはない。そんな、人々を惹きつける魅力が彼をリーダーに押し上げます。

今まで、うまく言葉にできなかった劉備玄徳に憧れる理由が、最近出会った一冊の本を手掛かりに少し見えてきました。

劉備玄徳が他のヒーローと比べパッとしないことを不思議に思った。たいした武術も知略もない。だのに、張飛、関羽、趙雲、孔明などの英雄たちが劉備玄徳の周りにひしめく。リーダーって何だろう?と考えさせられた。(引用 自分の頭で考えて動く部下の育て方 篠原信著)
劉備玄徳の圧倒的な力、それは承認欲求を満たす力なのかもしれない。自分の存在価値を認めてくれる。この人がいれば自分はこの世に生きていてよいのだと思える。そうした承認欲求を満たしてくれる稀有な存在だったのではないか。(引用 同著)

生きるか死ぬかの抜き差しならない戦国の時代に、手放しで自分のことを認めてくれる劉備玄徳の存在は、自分が自分らしくいてもいいというごく当たり前のことを強いメッセージとして伝え、人々を鼓舞し、活躍の場を作り続けたのだと思います。
私自身、これからも劉備玄徳のリーダーシップに近づけるよう「人徳」の正体に迫りたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも本好きのエピソードを紹介していきます。

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