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マクドナルドで学んだこと

物語と書いて“しごと”と読む。

その心は、仕事…つまり働くことは“人生”であり、人生は物語であるということ。ひとの人生物語の中で仕事は大きな意味を持っている。

ここで言う仕事や“はたらく”とは、会社勤めの人の日常業務だけのことを指しているのではない。

“はたらく”の語源は「傍(はた)を楽(らく)にすること」とも言われているように、誰かのためを思って活動したことはすべて、“はたらく”ことなんだと思う。

そんな"はたらく"ことについて、長期間の育休をとって職場から離れたことをきっかけに深く見つめ直そうとしている。

長期育休、そして新型コロナを機に働き方を徹底的に見つめ直しながらも葛藤する心のうちを描くマガジン『物語と書いて“しごと”と読む』の3つ目の本編記事です。マガジンの概要はこちら。

学生時代にのめり込んだアルバイト

「学生時代の楽しかった思い出をあげて下さい」と言われれば、間違いなく一番に挙げるのがマックでアルバイトしてたことです。約5年間、ほぼ毎週末、夏休みや春休みはほぼ毎日、マックで働きました。

「高校生になったらアルバイトをしてみたい!」そんな想いは中学生の頃から、なぜかずっとありました。僕が中学に入る頃に両親が離婚して、それから母子家庭で育ってきたということが影響しているかもしれません。

言っちゃ悪いけど大した給料ももらってなさそうなパートで働く母から小遣いやなんやをもらうのは、とてもじゃないけどできないと心のどこかで思っていたんでしょうね。

でも、欲しいものは欲しい。だから「お金を自分で稼ぎたい。」そんな想いは強かったのかもしれません。今でも、正直に言えばお金は出来るだけたくさん稼ぎたいと思う。まぁなんだかんだ言って、お金が好きなんだと思います。

「お金より大事なものがあるかもしれない」なんて思うことはあるし言うこともあるけど、それはいま十分なお金を稼げているから言えるんだと思います。

本当は、働いてお金を稼ぎたい。欲しいものは我慢せずに手に入れたい。誰にでもあるのかもしれないけど、そんな欲求が、あまり表には出さないけれど(今こうやって出してるけどw)、僕の中の、奥の方に、大きなウェイトを占めている気がします。

学生時代にアルバイトがしたい!と思ったのも、やっぱりお金を稼ぎたいと思ったから。当時は洋服を買いたい!とか、18歳になる頃には車が欲しい!とか、そんな身近な欲求に目がいっていたと思うけれど。

きっかけはそんな想いでしたが、僕が働くことになった最寄りターミナル駅にほど近いマックは、とても働きやすい、楽しい職場でした。

この職場での学びは、僕にとって大きかったなと思います。

マックで学んだいちばん大事なこと

アルバイトを通じて何を学んだか。学生の時分はそんなこと全くと言っていいほど考えていなかったけど、今になって色々と思い返すことがあります。

当時の職場を思い出すと、本当に心理的安全性の高い、素晴らしい職場だったと思えます。心理的安全性とは、チームメンバーがお互いに気兼ねなく意見を言い合える雰囲気のことです。

チームで仕事をし、そして成果を上げるためには、もっとも大事な要素であると言われ、最近は注目される考え方です。

アルバイトをしていた当時、心理的安全性なんて言葉はもちろん知らず、ましてやチームをうまく運営しようなんて、理屈っぽく考えたことは全くなかったと思います。

日々の仕事の中でオペレーションをうまく回して滞りなく仕事しようということは考えていましたが、いわゆる職場マネジメントみたいなことはあまり考えず、でも無意識にできていたんだなということを今となっては思います。

アルバイトなのにマネジメント?って疑問が浮かぶかもしれませんが、実はアルバイトでもそういう仕事ができたんです。

僕が働いていた頃、つまり今から15年以上前の話ですが、マクドナルドには、SW-MGR(スウィングマネージャー)という職種がありました。社員さんと一般アルバイトの中間に位置する中間管理職みたいなものです。

“スィング”とは、確か社員とアルバイト・パートのメンバーの間を行き来する(スウィングする)役割、という意味があったような気がします。

当時は大学生以上のアルバイトがその職種を担うことができました。売上管理やシフト管理も任される責任ある仕事なので、SW-MGRになるためにはたくさん教育を受ける必要もありました。

5年間働いたうちの後半2年くらいは、そのSW-MGRをやらせてもらいました。SW-MGRになるためのスキルはたくさんの教育を受けて身に付けましたが、職場のマネジメントの仕方までは流石に教わりませんでした。(と言うか、教わりようながない?)

それでも、無意識にもチームがうまく運営されていたって聞いたら、今時の企業のマネージャー職の方は「そんなわけない!」って思う人もいそうです。でも、それが実現していたんです。

それは、無意識ながら心理的安全性を高めるような働き方ができていたからに他なりません。

店長も、社員さんも、アルバイトメンバーも、先輩後輩関係なく、言いたいことは言う。建設的に議論できる。それでいて、みんなで頑張ってランチタイムの忙しさを乗り切ろうね!って成果に向かっている。

思い出されるどのシーンも、これができてたなって思います。マックで学んだ大事なことはひとことで言うと、そういう“職場の在り方”だと思うんです。

自分が職場に求めるものは?

このマガジンは自分の過去の仕事や働き方を棚卸しして、最終的には「これからどんな“はたらく”を実現していくのか?」ということに収束していきます(していく予定です)。

この記事ではここから、マックで学んだ“職場の在り方”にフォーカスし、自分が職場に何を求めているのか?求めているものを実現するために必要なことは何か?ということを中心に書いていこうかなと思います。

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