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忘れられない映像

幼い頃、テレビで観たどうしても忘れられない3つの映像がある。テレビで観たと言い切れるのは、私は1969年(昭和44年)生まれで、当時の子供はテレビか映画でしか、映像を観ることはできなかったからだ。

あれから、40年以上たつが、この題名も分からない3つの映画のことを今だに思い出す。そこで、ネットで探し当ててみることにした。

1つ目は、洋画のサスペンス物で、私は話の筋も全部覚えていたので、恐らく、1970年代のアメリカ製ではないかとふんだ。Google に覚えていることを、以下のように全て英語で記入した。
「夫は妻に湖で殺害された。夫は輪廻転生し、自分の娘の恋人となった。夫はウィスキーのグラスを指ではじいて音を鳴らす癖があった」

1時間ほど、ネットで調べていたが、ついに探していた映画がみつかった。The Reincarnation of Peter Proud (アメリカ、1975年、昭和50年) だった。早速、その日にネットで観た。覚えていた通りの、幻想的な場面の多い、私好みの映画だった。私はいくつだったんだろう? 当時はどのくらい待てば、劇場公開された洋画がテレビで放映されたんだろう? 私は、8,9歳だったに違いない。

何をそんなに覚えていたのかというと、ピーターのカラダに転生した父親と彼の娘が、真夜中の木々の生い茂る湖のほとりで男女として結ばれる美しいシーンだった。ピーターがウィスキーのグラスを指ではじいていると、娘の母親が、「あら、私の亡くなった夫も、グラスを指ではじくのが癖でしたのよ」と言うシーンもよく覚えていた。

それにしても、アメリカの1970年代のラブシーンは、benign で凄くいい。今は、何がどうなって、あんな風になってしまったんだろう? ともあれ、50年近く、忘れられなかった映像の正体が分かってよかった。

2つ目は、日本の2時間ドラマで、私が子供の頃超売れまくっていた、金田賢一が主演だった。確かに当時私は、金田賢一ほどかっこいい人はいないと思っていた。私はドラマの内容は全く覚えていなかった。ただ、覚えているのは、自分たちの素性を知らぬまま、恋に落ちた兄と妹が、ドラマの終盤で命からがら何かから逃げ切り、そして男女として結ばれるシーンだ。この辺りでは、2人はすでに、自分たちは実は兄と妹だったと気づいている。でも、助け合って恐怖を脱した直後(どういう風に助け合ったのか、どんな恐怖だったのかは、私は何も覚えていないのだが)、互いへの欲情を抑えることは不可能だった。翌朝、近親相姦を犯した妹が、兄が寝むっている間に湖に身を投げて自殺する。目を覚ました兄は、泣きながら、胸まで湖につかって妹の名を叫びながら、むなしく彼女を探すという展開だった。

このラストシーンを手がかりにGoogleを使って調べた結果、ついに探していたドラマがみつかった。
土曜ワイド劇場純愛連続殺人(2):すすり泣く水子地蔵 (1982年、昭和57年、3月20日放映)
脚本:山浦弘靖
主演:金田賢一、斎藤とも子

放映されたのは、私が12歳の時、中学に上がる直前の3月だった。
(あー、あの純真そうだったお姉さんは斎藤とも子だったのか)
と納得した。それにしても、42年たっても忘れ難いラストシーンだった。

さて、最期の3つ目の映像だが、これもネットで探し当てることができた。46年前の1978年(昭和53年)に放映された2時間ドラマだった。私は9歳だった。しかしこれについては、今は書かない。この忘れられない映像にインスピレーションを得て、長編を書きたいからだ。乞うご期待!

The Reincarnation of Peter Proud は手軽にネットで観ることができたが、日本の大昔の2時間物は、海外にいる私には観る術がない。術はあるのかもしれないが、まだ調べきれていない。観れる日が楽しみだ。

いずれにしても、8歳くらいから12歳にかけてテレビで観た映像と物語が常に私の中にあって、私という人間が出来ていく過程でどういう役割を果たしたんだろうか、と考えるのは面白い。
 
 

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