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うまくいかないと落ち込んでいても、気づかないだけで毎日ちゃんと前に進んでいると思うんです。〜アクセサリー「振り返り」のデザインについて〜

2022年冬に向けて「挫折を乗り越えて一歩踏み出す」というコンセプトで作品を作ってまいりました。

今回のその中の「振り返り」という名前をつけた作品について、デザインに込めた意味をご紹介したいと思います。

同じコンセプトのもと作製した「収束と発散」というコンセプトのアクセサリーについて書いた記事もございますのでぜひ合わせてご覧ください。

コンセプト「挫折を乗り越えて一歩踏み出す」について

豊かな人生を過ごすために目標に向かって行動することがとても重要なことだと思います。

ですが、その目標に向かって行動することはうまくいかないことがあったり、忍耐力が必要だったり、なかなかうまくいかないことが多いと思います。

目標に向かって頑張ろうと決めたのに、行動できていない・・・・

そんな風に落ち込むこともあると思います。

また、目標に向かって挑戦する中で思わぬ失敗にぶち当たることがあると思います。

努力してきたのに、力が及ばなかったから負けてしまった・・・。

壁にぶちあたる時、自分に自信を持てなくなる時。そんな風に挫折する場面があると思います。

私自身そう感じることが多く、挫けそうになったのですが、それでも人生に彩りを与えるために諦めたくありませんでした。

そんな想いから挫折しても、その壁を越えて頑張ろう!と落ち込んでいる人を鼓舞したい。それをアクセサリーで表現したい。

その想いがこの「挫折を乗り越えて一歩踏み出す」というコンセプトになります。

頑張っているつもりだけど、何も変わっていないような気がする・・・

目標に向かって行動しているけど、思うような結果が出ずにずるずる毎日過ごしている。

行動するけど結果が出ないから、何をやったらいいのかわからなくなる。

そんな想いにかられることがあると思います。

何をやっても成長していない。才能がないんだ。そもそも自分は掲げた目標を達成できるような人間じゃないんだ。

うまくいっていない時って自分を責めて自分がダメな人間なんだという考えになりやすいような気がします。

そもそも自分は才能ないから頑張ったってしょうがない。もうやめようか・・・。

そうやって諦めていってしまうということもあるのではないでしょうか。

毎日の変化は少しずつ。振り返ったら変わっている部分があるはず!

ですが、そんな時に少し自分のことを振り返ってみてほしいと私は思います。

私自身、成長していないと感じることが多いですが、1年前の自分を振り返るとその時よりもできることが増えていたり、ちょっとしたことでも成果が出ている部分があります。

毎日の変化が少しずつで目の前の結果と求める結果を比べているだけだから落ち込んでしまうと思うんです。

いきなり求める結果を出せる人間はおそらくいないと思います。

すぐに結果を出しているように見える人もいるかもしれませんが、それまでに積み上げてきたものがあるから、そう感じるのだと思います。

目標を達成するには忍耐が必要なのだと思います。成長していないと感じて自分を卑下するのではなく、少し自分を振り返って成果が出ていることに目を向けることで、少しでも前を向けるのではないかと思うんです。

断面の形状が少しずつ変化している

以上のような考えから着想してデザインを考えたのが「振り返り」になります。

まず、形状についてですが、片方の端の断面は楕円、その反対側の断面は菱形になっていて、端から端へ滑らかにその断面が変化しています。

また、菱形の方は先端を尖らせることで変化の方向を表しています。

毎日の成長は少しずつで自分のことをどのように認識しているのかはあまり意識できません。

しかし、過去の自分を振り返ると形が変わっていることに気づくのです。

そんな毎日の、自分では気づかない変化をなめらかに変化していく形状で表現しています。

色の変化は成長を表現

これらのアクセサリーはチタンでできており、陽極酸化という技術で電気を流して酸化皮膜をつけて発色させています。

チタンの酸化皮膜による発色は構造色とよばれ、酸化チタン自体は緑やピンクの色をしているわけではないのですが、酸化皮膜の厚さによって光の反射が変わり、干渉し、緑やピンクに見えるのです。

これらのアクセサリーでいうとピンクの方が酸化皮膜が厚く、その分流す電気のエネルギーを高くする必要があります。

形状のところでも触れましたが、菱形側の先端を尖らせることで変化の方向を示しており、緑からピンク、酸化皮膜の薄い方から厚い方へ変化している、ということを表現しています。

つまり、毎日の変化は少しずつで気付きにくいけど、少しずつエネルギーが高い状態に変化しているんだ=成長しているんだ、ということを表現したかったのです。

目に見えるものだけではなく、その奥にも意味を込めた、こだわりのポイントです。

変化は不可逆的なもの

「振り返り」のコンセプトで指輪も作製しました。

基本的には同じ形状になっており、断面の形状が楕円から菱形に滑らかに変化しています。

指輪は楕円から菱形へ同じ場所に戻っていくのではなく、交差させたオープンなリングにしています。

これは変化が不可逆的なものだということを表現しています。

どんな状況でも、停滞していると感じていても少しずつ変化していっていると思います。

その変化していった先は今の自分よりも、より高いレベルになっていると思います。

同じところをぐるぐる回っているわけではないのです。

また、菱形に当たる部分の真下に楕円の部分が重なるような位置関係にしています。

うまくいってないなぁ、どうすればいいんだろう、そんな風に迷って悩んで進んできて、一定の期間が経って、ふと振り返ったら形が全然違うものになっていた。

その振り返るポイントと実は成長していたと感じるプロセスを表現しています。

「振り返り」シリーズ一覧

「振り返り」の込めた想い、デザインについてのご紹介でした。

これらのアクセサリーは3DCADで設計して、3Dプリントで造形して、自分の手で丁寧に磨き、色をつけています。

3DCADを使って設計しているからこそ、このような滑らかに形が変化するデザインができますし、3Dプリントでチタンの造形ができるからこそこのような着色もできます。

ありそうでないデザインだと自負しておりますので一度ご覧いただけますと嬉しいです。

Arikataについて

アクセサリーブランド「Arikata」ではチタン、銅、銀などを使用して色鮮やかなアクセサリーを作製しています。

頑張っている人の背中を押すために、その人の想いを象徴するアクセサリー作りをコンセプトとしています。

こちらの記事で「Arikata」に込めた想いを紹介しています。ぜひこちらの記事もご覧ください。

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