彼女は何者?
彼女の経歴をここで書くわけにはいかないけれど、それなりの経験があるのは確かだ。
英会話も出来れば、幼少期も含めて、海外経験もある。刺激的なスポーツとか、他にも俺が手掛けてもいない得意分野があるオタクだ。
そんな彼女は、本当に自由自在に動くし、自由奔放に見える。年下女性が彼女を頼って夜中に電話してくる。
姉さん、とか姉貴って呼ばれるのが好きだって。
だけれど、そこが穴だった。よくよく探ってみると、ただの臆病の弱虫で、強がって生きているだけ。神経質だった過去とアレルギーだらけの体質。体感が非常に敏感な生き辛い感性を持っている人だ。
その部分では、俺と共感しているからこそ、俺たちは分かり合える、そんなところだ。
言いたいのは、強そうでかっこいい女性の内面は、脆くて弱くて、可愛いってことだった…。
って、イメージでは知っていたけれど、これまでその類の女性とは縁がなかったというか、内面まで見せてくれた女性がいなかったというか。
だから、今はそれが証明されたという事で、強っちい彼女と弱っちい俺とが、チグハグな感じでお似合いで、釣り合っていることだ。
今日は俺の方から海に誘ってみた。素っ裸で泳いだ。流れ星も一緒に見た。楽しかった。
今人生で1番イケてる。
帰りは可愛い息子を彼女に握らせながら、俺は思った。
バツ同士中年世代、全世界のみんなで青春してみろって!
自由恋愛で、結婚制約も、妊娠の心配も、他人からの査定も、全ての男女ルールが無ければ、人口の半分のイライラは治まり、みんな俺みたいになれるんだ〜。
妄想か、それとも太宰治に感化されたか?
恋と革命で世界は救えるかも、と。
本気で考えた夜だった。
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