~人を育てる経営者が行っている問題解決の方法~問題は氷山の一角。問題解決を阻むバイアス!?
今回は、『人を育てる経営者とそうでない経営者の違い』を理解していただき、バイアスとは何か。どこでバイアスが生まれるのかなど『問題解決を阻むバイアス』についてお伝えします。
まず、人を育てられない経営者が問題をどう扱っているのか見ていきましょう。
下のイラストをご覧ください。
|人を育てられない経営者は対処療法
人を育てられない経営者は、問題が起きたとき、起きた現象のみに対処してしまっています。
例えば、社員が遅刻したとき、『なんで遅刻するんだ!もっと早く起きればいいだろう!』と遅刻の要因を考えずに注意します。
社員は「すみません。次から気をつけます。」と返事をします。経営者は社員が反省したからもう大丈夫だと思ってしまいます。
ところが、遅刻という問題の要因が解決できていないので、遅刻が繰り返し起きてしまいます。
二度、三度、繰り返すうちに社員に元気がなくなり、会社に来なくなってしまったりします。社員を育てるどころか社員を辞めさせてしまうことになってしまいます。
ともても残念なことです。
起きた問題に対して要因を考えずに対処してしまう経営者は、人を育てられない経営者になってしまうのです。もし、会社で同じ問題が2度3度と繰り返されている場合は、問題の要因を解決していない可能性があります。注意してくださいね!
|人を育てる経営者は問題の要因を考える
一方、人を育てる経営者は、遅刻をするという問題の要因が『何か?』と探し出そうとします。
彼らに何が起きているのか?何が彼らに遅刻させているのか?と考えます。
ここで大事なことは考えを言葉にすることです。これは言語化と言います。
言葉にしない限り、脳にインプットすることができません。さらに、相手やまわりにアウトプットすることもできません。だから、行動に移すことができないのです。
言語化することが重要です。
仮説でいいので、例えば、問題の要因を『仕事関係かな?人間関係かな?家族関係かな?』というように言語化にしていきましょう。
|何が彼らにさせているのか?と考える
では、遅刻という問題の要因を考えていきます。
例えば、何が彼らに遅刻させているのかと考えて、その要因が仕事関係だろうと仮説を立てます。
すると、要因が仕事関係であれば、社員の仕事に対する能力不足かな?と課題を考えることができます。
さらに、課題が仕事への能力不足であれば、解決策は本人のスキルアップとなります。
彼らのスキルアップには何が必要かと考えれば、彼らにスキルを教えること、彼らがスキルを身につけることが解決行動になってくるわけです。
解決行動によって、社員が必要なスキルを身につけ仕事へのモチベーションがあがれば、遅刻はなくなるかもしれません。社員が遅刻するという行動を改め、定時に出社するという行動に変わっていくことが重要です。
この問題の要因探しから課題特定、解決策の立案、具体的な行動への一連の流れは、社員と対話をしながら進めるとより効果的になります。経営者からの一方的な決めつけにならないように注意が必要です。
対処療法の経営者は、社長と社員の双方向の対話をしていない傾向がありますので注意してください。
人を育てる経営者は、問題の要因を探し出し、課題は何か?解決策は何か?解決行動は何か?とイラストのように問題解決を行っているのです。
しかし、人を育てる経営者になることは重要だとわかっていても、多くの経営者が要因探しの思考になれない壁を持っています。
|人は嫌なことを受け止めたくない!
それは、嫌なことは受け止めたくないと深層心理(無意識)で考えているからです。だから、起きた事実を都合の良いように考えます。
それが、先入観、固定観念というバイアスです。
そのバイアスが問題の要因探しを邪魔しまうのです。
これはもう習慣になっているので本人も気づかない場合が多くあります。
先入観、固定観念というバイアスは起きたことを受け止めたくないという深層心理が根っこにあるんです。
実は、私は人を育てられないリーダーでした。だから、失敗の連続でした。私がこの問題解決の方法に気づくことができたのは自分の大きな失敗からでした。読者の皆さんには私のような失敗して欲しくないので、こうして問題解決の方法をお伝えしています。
今回の質問です。
「今抱えている問題の真の要因はなんでしょうか?」
次回は、問題解決を阻むバイアスの外し方をお伝えします。
お楽しみ( ^ ^ )/
◆10月14日の番組全編を番組サイトに公開しました。
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今回は15:00-23:30(12分30秒)です。
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