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2歳3ヶ月のつむぎ、ガチンコ勝負に挑む

朝から一日雨。こども園はお休みで、家にいるつむぎ。お昼寝を一瞬で終えて、力が有り余っている昼下がり。車で5分、雨の中、二人で美幌駅の遊具施設「きてらす」に向かう。2歳3ヶ月の我が息子は、この場所で、もしかしたら人生で初めてのガチンコ勝負に挑むことになる。

駅の駐車場。車はほぼ満席。つむぎを抱っこして雨の中、ダッシュ。つむぎは腕の中でキャッキャ言って喜んでいる。二階に登ると、意外にもお客さんはおらず、独占状態だった。

すべり台をやったり、はしごを登ったり、木のおもちゃで遊んだり。僕と紡の二人で「きてらす」を満喫していると、一組の親子が。小学校低学年くらいのお姉ちゃん(仮称:Aちゃん)と年長さんくらいのお兄ちゃん(仮称:Bくん)の二人も遊び始めて、場はにぎやかになってくる。

「もういいかい?」「まぁだだよ!」
「もういいかい?」「もういいよ!」

二人のかくれんぼが始まった。「もういいかい」の掛け声を聞いて黙っていられないのがつむぎ。最近、夕飯の後は毎日のようにかくれんぼをやりたがる。さも僕も一緒にやるよ!と言わんばかりに「もういいよ!」「もういいかい?」と掛け声に加わっていく。

今はAちゃんがBくんを探すターンのようだ。そこにすっと、加わるつむぎ。お姉ちゃんの周りをウロウロしつつ、一緒にお兄ちゃんを探し始める。木のトンネルの中でお兄ちゃんを見つけて大喜び。本人としては、完全に一緒に遊び始めたようだ。

「この子、誰?」
訝しげなBくん。
「一緒に、遊ぶ?」
少し年上のAちゃんはとても優しい。質問にはうまく応えないものの、ニコニコしているつむぎ。

「お名前は?」
「つむだよ」
「そうなの、つむくんね。B、この子、つむくんって言うんだって」
「ふーん」
子供どうしのコミュニケーションが進む。

「つぎはBが鬼ね」

Bくんが鬼で始まったかくれんぼ、自然とつむぎもその中に組み込まれたようだ。つむぎを喜ばせることに全集中した我が家の接待かくれんぼとは違い、ガチンコ勝負のかくれんぼ。Bくんが数を数えているうちに隠れなきゃいけないことをよく理解していないつむぎは、一瞬で見つかってしまう。

そして、次はつむぎが鬼。「ちゃんとできるかなぁ・・・」。心配する僕をよそに10をかぞえ始めるつむぎ。

「1,2,3,・・・10!もういいかい!」
「まぁだだよ」
「もういいかい!」
「もういいよ!」
意外といいすべり出し。

「どこかなぁ?」
AちゃんとBくんを探してとことこ歩き回る。階段を登って、すべり台をすべって、一本橋を渡って探し回る。年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんとのガチンコ勝負のかくれんぼ、いつもの接待かくれんぼとはわけが違う。

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探し回る息子を、後ろでドキドキしながら見守る僕。「あきらめて、他の遊びを始めちゃわないだろうか?」「見つからなくて、悲しくなったり、怒ったりしちゃわないかなぁ・・・」。

ひとしきり探し回ったあと、ついにその時を迎える。遊具の二階に登る階段、その下を覗き込むつむぎ。ぱっと嬉しそうな表情に変わる。少し離れたところから見ていても、体中から喜びが溢れているのがわかるくらいだ。

「みつかっちゃったぁ」
笑顔で出てくるAちゃんとBくん。二人で同じところに隠れていたようだ。

こうして、つむぎは、雨降る美幌町の「きてらす」でガチンコ勝負のかくれんぼに勝利した。

「もうお友達と複雑な遊びもできるようになってきたんだなぁ」。息子の成長に、僕もなんだか嬉しい昼下がりだった。


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