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恐怖の文章校正、いつの間にか生まれ落ちる子どもたち

「ああ、ここにもまだ子どもがいる・・・。あんなに、何度も探したはずなのに、どうして・・・」

今日もぼくは美幌の家でひとりパソコンに向かって仕事をしている。冬の間、作り続けていた雑誌の入稿は今週。本当に大詰めだ。

いまは文章の校正の最終段階。校正とは誤字脱字、表記ゆれなどを誤りがないかを検査する仕事だ。

苦目のコーヒーを用意し、スマホからは音量最小のカフェミュージックをセット、デザインが入り完成間近の文章に目を通す。

もう、この校正作業も一通り終わり、原稿に入れた赤字がデザイナーさんによりきちんと反映されて戻ってきているかを確認する段階だ。

一つ一つ、赤字の反映を確認し、完成した原稿が積み上がっていく。ゴールはもう目の前だ。

そんななか、ふと、完成扱いにした原稿にもう一度、目を通してみる。

スマートフォンからは歌声が聞き取れないほど小さな、落ち着いた音楽が流れている。猫のスピカはストーブの前でおとなしくしている。家の中は耳が軽くキーンとなるくらい静かだ。

原稿を読み進める目が止まる。

「あ!」「あれ、ここも」
「え、ここも?」
「そんなバカな、なぜ見逃していたんだ・・・」

ぽつぽつと、しかし無視できないくらいの修正点が見つかってしまう。恐ろしい。

とりわけ恐ろしいのはそこかしこに発見される「子ども」だ。子どもの表記は、「子ども」「子供」「こども」が考えられる。一般的に「子ども」の表記が多いらしい。今回つくっている雑誌では「子供」を採用している。

よくあるミスなので気をつけて見ていたはずだった。

しかし、目の前に突如として現れる「子ども」たち。

あぁ、恐ろしい、これはもはや文章の中で新たに子どもが生まれているのでは、と疑うレベルだ。まさか、こんなところで子ども人口減少が解決されているなんて・・・。

と、バカなことばかり考えている場合ではないので、改めて目を通して赤字を入れ直すのでした。あぁ、デザイナーさんに申し訳ない。なんで一発で気が付かないんだろうなぁ。困った、困った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:3歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:2歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:0歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。

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