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【e-sports】僕たちは『どうぶつタワーバトル』で生計をたてられるのか

※文字数約3,500文字 読了想定時間5分くらい

皆様

大変なことが起きています。2017年彗星の如く現れ、
「次世代のe-sports」と名高かった『どうぶつタワーバトル』でついに賞金(賞品)付き大会が始まりました。

本稿は、『どうぶつタワーバトル』ガチ勢が、自らの生きる道として『どうぶつタワーバトル』に全てを捧げた場合に生活が成り立つのか?ということを検証するものです。

目次

・『どうぶつタワーバトル』とは?
・「mspo」とは?
・楽しい期待値の計算
 ー理論値
 ー凡人の時給
・結論

・『どうぶつタワーバトル』とは?

「どうぶつ」をお互い1回づつ積み上げていき落とした方の負け、というシンプルなゲームです。

どうぶつを積み上げた様子
かわいい

詳しくは容赦なくWikipediaから引用します。

『どうぶつタワーバトル』は、Yuta Yabuzakiが2017年3月31日に発表したスマートフォン向けゲーム。
本作は制限時間内に台の上に動物のパネルを積み上げていく『どうぶつタワー』(2016年4月22日配信)に対戦要素を追加したものであり、二人で交互にパネルを積み上げていく内容となっている。
『どうぶつタワー』はパネルが台から落ちた時点で負けとなるのに対し、本作は先にパネルを落とした方が負けである。
1つずつランダムに落ちてくるパネルを1回タップすると動物が回転し、スライドさせることで任意の位置に定まり、指から離すと落下する。
4Gamer.netのH.H.は、『どうぶつタワーバトル』について、「誰でもわかりやすいルールの中で気軽に楽しむことができる」と評し、2017年に配信されたアプリの中で一番の名作とした。
AUTOMATONのMasahiro Yoneharaは『どうぶつタワーバトル』について、「初見でルールが理解できる『敷居の低さ』と対戦相手と数歩先を見越した読みあいを楽しむ『奥深い』戦術性がある」と評価し、『Frozen Synapse』に並ぶターン制ストラテジー対戦ゲームの傑作と評した。

一時期結構流行ったのでご存知の方も多いと思います。

が、流石にローンチから1年以上たち、話題にならなくなったな、と思っていたところ、この9月に「mspo」という新しいプラットフォームを利用し、賞金付きの大会が開催される運びとなりました。

・「mspo」とは?

ガンホー・吉本興業・サイバーエージェントという大手企業による合弁企業mspoが提供するサービスです。

仕組みとしては、以下の通り。

①コイン勝ち抜きバトルに勝利しコインを獲得
②コインを賭け、ポイント勝ち抜きバトルに勝利しポイントを獲得
③ポイントを使ってアマゾンギフトコードと交換可能(1ポイント=1円)

『どうぶつタワーバトル』の場合、コイン勝ち抜きバトルには2つのコースがあります。(いずれも参加は無料)

①4勝すると最大50コインがもらえるコース(2回負けで終了)
②8勝すると最大500コインがもらえるコース(3回負けで終了)

こんな感じのルーレットです

そうして得たコインを使って同様の構造のポイント勝ち抜きバトルに参加できます。(いずれも参加コインは100コイン)

①4勝すると50ポイントがもらえるコース(2回負けで終了)
②8勝すると500ポイントがもらえるコース(3回負けで終了)

要するに、元手がゼロでアマゾンギフト券がもらえるかもしれない、という可能なら働きたくない、ゲームだけをして生きていきたい私のような人間の心をくすぐるシステムです。

垂涎のアマゾンギフト券

この費用については、広告収入分から捻出されるようで、このシステムに乗っている間は通常よりも多い頻度(1試合あたり1回)で広告がでます。

全てのバトルはいわゆるBO3(2戦先取で勝利)で行われます。
どうタワ自体にかかる時間もそれなりに幅があるのですが、何度かやったところ1マッチにかかる時間は平均5分程度でした。(広告・待ち時間含む)

さて、本題ですが、このシステムを使って我々はどのくらいの時間を使って、どの程度のアマゾンギフト券を手に入れることができるのでしょうか?

(補足)この通常戦とは別に招待をしたときにもらえる「ゴールドメダル」を使って参加する期間限定の「1,000,000ポイント山分け争奪戦」のようなものもあります。
こちらは割と稼げるようで、Twitter上でも数千円~数万円程度稼ぐことができた、との情報もありました。
ただ、「ゴールドメダル」の獲得が現状招待により獲得できるものであることで永続性があるかわからないことから、本稿では割愛します。
※10戦中8勝するくらい上手い方向けです

・楽しい期待値計算のお時間

時給換算をしていきたいと思います。

ー理論上の最大値

まず最大、理論値を確認します。
この場合は勝率が100%と仮定します。(神です)

神は最も効率のよい8戦コースを常に選ぶことができます。神なので。この場合、8戦で500コインを得、そのコインを使って5回ポイント戦に参加すると2,500ポイントが得られます。

合計48戦、時間にして240分2,500アマゾンギフト券が得られます。

しかし、アマゾンギフト券では家賃も水道代も払えません。これを現金に直す必要があります。

複数のサイトを参考にしたところ、換金率は約8割が相場とのこと。
2,500アマゾンギフト券は2,000円の価値があることとなります。

これを時給に換算すると500円となります。

……神の時給が500円なのでもうこの時点で終わってもよいのですが、もう少しだけ粘りましょう。

ー凡人の時給

我々凡人は勝率が大体半々、50%としましょう。
この場合に期待できる時給はいくらでしょうか?

凡人は神と同じ流れでの計算は非常に困難なため、
ゴールを「500ポイント得る8戦勝ち抜きバトルに勝利する」ことと設定し、それにかかる時間を算出します。

・8戦勝ち抜きバトルに勝ち抜ける確率

(高校以来確率をちゃんと使っていないため、ツールを使わせてください)
https://tools.ikunaga0.com/gacha-calc/
※こちらを使い
 ・排出率を50%
 ・試行回数を10回(2回まで負けられるため)
 ・希望出現回数を8回
として算出しました。(正確には10回勝つ、9回勝つが入ってしまうので若干ずれるのですが誤差ということで勘弁してください。0.5の10乗オーダーなので)

勝率が50%の場合、約5.5%の確率でポイント獲得バトルを勝ち抜くことができます。


さて、この場合に必要になる試行回数を考えなければなりません。

仮に、8割以上の確かさで勝ち抜くことができる試行回数を合格ラインとすると、29回という数字が求まります。(29ラウンド、ということです)

この場合、必要になるコインは2,900コインとなるため、
同様の構造のコイン勝ち抜きバトル(8戦)を6回勝たねばなりません。

もうこの時点で頭が痛いですが、がんばります。

先程の通り、ある程度以上の確率で8戦を勝ち抜くためには29回試行しなければならず、かつこれを6します。174回の試行が必要とわかります。
(本当はもっとかかると思いますが勘弁してください)

あわせて、203回のラウンドを経て、晴れて500ポイントを得ることができました。
この場合にかかる時間は一旦丸めて1ラウンドあたり40分とさせてください。(もうここをあまり考えたくありません。)

凡人が500ポイント得るために必要な時間
203ラウンド×40分=8,120分≒135時間

これで全ての材料が求まりました。

そして500アマゾンギフト券がもらえるわけですが、前述の通り換金率を考慮すると、500アマゾンギフト券は400円の価値があることとなります。

最後に、かかった時間である135時間から時給換算すると約3円ということとなります。

・結論
我々凡人はどうぶつタワーバトルだけでは生活できないため、日々あくせく働く必要がある。


※補足

もうちょっと上手いよ、って方の場合は以下の通りです。

勝率が60%の場合の時給は約22円(8戦勝ち抜き勝率16.7%)
勝率が70%の場合の時給は約125円(8戦勝ち抜き勝率38.3%)
勝率が80%の場合の時給は約240円(8戦勝ち抜き勝率67.8%)

試行回数が指数的に減るため、上手ければ上手いほど理論値に当然近づきますが、理論値が理論値のため、少なくとも定常の勝ち抜きバトルだけで食っていくのはおすすめ出来ない、と私は考えます。

我々神ならぬ人は日々労働をしなければ生きていけない、改めて確認ができたよい機会でした。

※補足の補足

どうぶつタワーバトル自体はすごく面白いゲームです。
大金を得たい!という目的でなければ是非やってみてはいかがでしょうか。
勝率トントンでも、楽しくゲームをして長く続けていれば1,000円くらいもらえてハッピーになると思います。

※蛇足

何ももらえませんが、僕は『けものフレンズぱびりおん』というゲームを今も続けており、今やっと4つめのちほーである「じゃんぐるちほー」が開放されました。こちらもぜひ。

マレーバクちゃんとエリマキトカゲちゃんです
たくさんフレンズがいるので長く楽しめます、

(了)

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