「地域戦略×コンテンツ戦略」エリアマーケティングの魅力について
「あなた何のプロ?」
と聞かれた際、「エリアマーケティングです」と答えています。
僕自身がエリアマーケティングというワードを使い始めたのは2020年4月にフリーランス転身してからで、それまでは「飲食店集客とか地域活性化とかやってます」みたいな答え方をしていました。
ですが、フリーランスとして仕事をする上で何のプロか簡潔に伝える肩書き(キャッチコピー)が必要になり、キャリアを振り返って発見した自分の得意分野が「エリアマーケティング」です。
エリアマーケティングを始めたきっかけは“飲食店サポート”でしたが、今では“地域活性化”や“不動産再生”の仕事に繋がっています。
エリアマーケティングの魅力ついて僕なりに解説していきます。
※導入編みたいなイメージで、難しい話は割愛します。
エリアマーケティングとは?
「エリアマーケティング」とは、地域間で異なる市場特性を分析し、エリアごとに特化したアプローチをとるマーケティング手法です。地域住民の生活様式、土地柄、産業、交通インフラなどから地域の需要構造や競争環境を分析して「売れる仕組み」を作ることから、「地域密着型マーケティング」とも呼びます。
新規店舗を出店する場合でも、既存店舗の業績改善を求める場合でも、エリアの特性を分析して「競争優位」を獲得するために大事なマーケティング手法です。出店エリアの「商圏分析」を行い、収益性を高められる事業の進め方を検討していきます。
要は地域ごとにマーケティングする手法のことを言います。
「マーケティング」と同じで、範囲が明確でない結構ざっくりした表現です。
エリアマーケティングの出発点
最初からエリアマーケティングに興味があったわけではなく、もともとは新卒入社した株式会社ぐるなびの営業から始まっています。
こんな業務↓
①グルメサイト“ぐるなび”に掲載してほしい飲食店を探す
②地域と飲食店の特徴を掛け合わせ、どの広告にどう掲載すれば良いか考える
③飲食店にマーケティング戦略と絡めた掲載プランを提案
④契約後、広告の作成(文章や写真、SEO対策など)
⑤掲載後のマーケティング戦略を継続的に見直し
要は多様な地域に合わせて多様な店舗の情報発信をしていたわけです。
最初は自分を飲食店特化人材だと思っていたのですが、「これって飲食店に限らないんじゃ?」と後から気付きました。
それから地域活性化や不動産再生企画とフィールドが広がっていきました。
どんなジャンルでも、エリアマーケティングを考える上で主に2つのテーマ「地域戦略」と「コンテンツ戦略」が存在します。
当たり前のことですが、それがエリアマーケティングの醍醐味だったりするので、それぞれについて解説します。
“地域”戦略
まずは地域戦略。
これはもう当たり前の話です。
飲食店・スーパー・コンビニ・美容室・雑貨店・アパレル・宿泊…
実店舗を持つビジネスのメインターゲットは多くの場合「近くにいる人」(近くに住む人、会社が近くにある人、観光しに来た人…etc.)です。
もちろん例外もあって、遠くから人が集まるようなお店もあります。
ただ、遠くの人も訪れるようなお店にするにはコンテンツでめちゃくちゃ尖らないといけない。
そこでしか堪能できない体験(美味しい料理、海や夜景が見える立地、イケメンスタッフ、面白いサービス…etc.)など圧倒的なコンテンツ力が求められる。
それができれば良いですが、全国に60万店舗ある飲食業界で尖るのは至難の業です。
だから多くの店舗は「近くの人」をターゲットにしています。
しかし、もちろんその「近くの人」はエリアによって全然違う。
渋谷、新宿、原宿、練馬、所沢、小田原、柏…エリアにいる人の層や人数や時間毎の動きが違いますよね?
もっと言うと渋谷でも宇田川と宮益坂ではターゲットが変わります。
「近くの人」にターゲティングする上で「エリアの特徴をつかむこと」は最重要事項。
地域ごとに戦略を立てる必要があります。
“コンテンツ”戦略
次にコンテンツ戦略。
これも普通にイメージできると思います。
特殊なビジネスなら別ですが、大抵は競合との差別化が必要です。
飲食店なら何屋にするか、アパレルならどんな系統のファッションを揃えるか…etc.
コンテンツを考える上でアプローチは無数にありますが主なアプローチは3つあると考えております。
【リソースドリブン】(できること)
・イタリア現地での修行経験→イタリアンを開業
・美容師の専門学校を卒業→美容室を開業
【エリアドリブン】(求められてること)
・このエリアは会社員が増えてる→居酒屋を開業
・近くにタワーマンションが建った→スーパーを開業
【やりたいことドリブン】(やりたいこと)
・趣味の料理を仕事にしたい→料理屋を開業
・アクセサリーを作った→セレクトショップを開業
ただし、どんなアプローチでも「できること」「求められてること」「やりたいこと」は重なる必要があります。
これが“コンテンツ”戦略。
どんなサービスを提供するか、コンテンツを考える必要があります。
“地域×コンテンツ”戦略
ただし、「やりたいこと」と「できること」がハッキリしても、「求められてること」とかけ合わせることに苦戦する事業者は多いです。「求められていること」はエリアの状況から大きく影響を受けます。
例えば全国的なトレンドなどでエリアの人々の消費行動が変わるケース。
【需要が下がる例】
・全国的な健康ブーム
→エリアの人にもブームが伝播
→こってり系ラーメンの売上減少
近くにいる人の求めていることがエリアドリブンで開業したビジネスも例外ではありません。エリアの状況は日々変わっていて、特にうまくいっている店舗は同じようにエリアドリブンで開業された競合が増えていきます。
【競合が増える例】
・エリアに大きな商業施設ができる
→家族でくつろげるカフェをオープン
→後から似たような店舗が増えて売上減少
どちらの例も「エリアの状況」に影響を受けているわけですが、ここでお伝えしたいのは「開業当初からエリアの状況は変わっている」ということ。
つまり、どんなアプローチで開業しても結局はエリアの状況に合わせていく必要があるのです。
ここまで解説した「地域戦略」と「コンテンツ戦略」、2つがエリアマーケティングの主なテーマです。
あえて「エリアマーケティング」って言う必要ある?
ここまでの話を聞いた方、特にマーケティングをやっている方はこう思ったかもしれません。
「エリアマーケティングって言う必要ある?普通にマーケティングじゃない?市場に合わせてコンテンツ考えるだけでしょ?」
「地域に合わせて戦略考えていくなんて効率悪すぎない?グロースするの?」
はい、仰る通りです。
エリアマーケティングは結局マーケティングで、ぶっちゃけ地域性関係ないWEBマーケも手法は似ています。地域(市場)に合わせて考えるだけです。
そして地域ごとに考えるのは大変です。
ただ、特有の魅力もあると思ってます。
地域性が関係ないマーケティングもやってきた僕がわざわざ「得意分野はエリアマーケティングです」と答えているのには理由が下記です。
エリアマーケティングの魅力①:ニーズ
エリアマーケティングに困っている方は非常に多いです。
なぜなら、
特に個人経営の店舗は“リソースドリブン”か“やりたいことドリブン”で開業している事業者が多く、開業後にエリアのニーズとの掛け合わせに困るケースが多いから。
ちなみにコンビニやファミレス、美容室など全国展開しているブランドはエリアドリブンが多いです。全国展開しているような企業はもちろん自社にマーケティング部があって市場調査&戦略の見直しをしています。
でも特に個人経営のお店は「その地域が好きだから」や「こんなお店を開きたい」みたいな動機が多くて、しかも良い不動産と巡り会うのはそう簡単ではなく、市場ニーズの優先度が低いケースも多いと感じます。僕の経験上、勢いだけで開業した方がびっくりするくらい多いです。
困っている人が多い=ニーズがある=仕事になる
フリーランスでもエリアマーケティングで食べていけてる僕がニーズの証明です。
エリアマーケティングの魅力②:汎用性
「海外で流行っているサービスが日本にやってきた!日本でも急成長中!」
みたいなこと、よく耳にしませんか?
本質的にはこれと同じで、一つの地域で成功したことは他の地域にそのまま展開できるケースが多いです。
そして何より全く同じように展開しても競合にならない特徴がマーケターとしては嬉しいポイント。
例えば…
ビジネスマンのパフォーマンスを最大化するテーマの栄養食を提供する定食屋が新橋でウケたとします。
その店舗を全く同じコンセプト&メニューで品川に展開しても問題ありません。
新橋と品川では「近くの人」が違うため、全く同じペルソナを設定しても食い合わないのです。
でもこれが完全栄養食をEC販売するサービスになった途端、成功事例をそのまま展開しようと思ったら競合します。もちろんエリアを限定していないため市場も広がりますが、レッドオーシャンになるケースが多いです。
「エリアごとに戦略を考える」と言いましたが、実際はエリアの特徴をカテゴライズすることができて、オフィス街・ベッドタウン・観光地などである程度勝ちパターンの戦略が決まっていたりもします。
※具体例は企業秘密笑
そしてこれは特に地方に展開しやすいです。
「新大久保で流行っているチーズ系メニューの○○が鳥取に初上陸!」
「原宿の若者で流行している美容法♪」
「東京駅勤務のビジネスマンがパフォーマンスを最大化するために通っている最新マッサージとは?」
キャッチを工夫するだけ、そのまま展開しても喜ばれます。
エリアマーケティングの魅力③:手触り感
個人的にはこれがエリアマーケティングを仕事にしていきたい一番のポイント。
全国規模のサービスを担当していた時に感じていたのが、「空中戦ばかりで手触り感がない」ということでした。
SNSプレゼントキャンペーンやWEB広告運用などWEBで完結する仕事が多かったのですが、それなりに反響があっても「誰がどれだけ喜んだか」見えにくかったのです。
これは大手広告代理店の方からもよく聞く気がします。
それはそれで面白さがあると理解してますが、僕は自分の仕掛けた施策で喜んでいる人を直接見たいという思いがありました。
エリアマーケティングは“店舗ビジネス”や“地域活性イベント”など「にぎわいを作る」事業と相性が良いです。
プロデュースした店舗が満席になっていたり、企画したイベントに多くの人が来ているのを見ると僕は幸せを感じます。
集客サポートさせていただいた事業者さんに直接感謝を伝えられると泣きそうになります。
「こんなに喜んでもらえたんだ」というフィードバックが直球でくるわけです。逆も然りで、失敗した時のダメージは大きいです。マイナスのフィードバックも直接来ます。
リアルが感じられることを「手触り感」と表現していて、僕が仕事をする上で重要なポイントです。
同じように手触り感を楽しみたい人は多いのではないでしょうか?
最後に
ビジネスっぽいことを語りましたが、エリアマーケティングを通じて「リアルな現場を盛り上げる」仕事が大好きだから今の仕事に行き着いています。
ちなみに僕は「やりたいことドリブン」でビジネスするタイプです。
「自分のお店を持ちたい」
「地元を盛り上げたい」
「店舗経営に苦戦している」
そんな想いを持つ挑戦者の方を応援し続ける人生にしたいと思っています。
同じような想いを持つ方と語り合うだけでも幸せです。
共感してくださった方や協業できそうな方、まずは気軽にお話ししませんか?
ぜひご連絡ください!!
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