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生まれてはじめて一眼レフで写真を撮った。

一週間前、生まれてはじめて一眼レフを触り、写真を習った。

ひょんなことからカメラマンの池田こーきさんに写真を教わることになり、「noteカメラ部」として活動することになったのだ。



ずっとそのときのレポを書こうと思っていたのだけど、仕事でいっぱいいっぱいで書けずにいた(私はnoteを毎日書いているわけではなく、時間のあるときに書きためて予約投稿している)。

レポはすでに他の参加者の皆さんが書いているので、私は日記にしようと思う。

その日は10日ぶりの外出だった。

渋谷に着くと、ハッピにねじり鉢巻きの人がたくさんいた。渋谷の喧騒はよくお祭りにたとえられるけど、比喩ではなく本当に、お祭りが行われていたのだ。

ここ数日はすっかり秋めいてきたけど、道玄坂を歩いていると、ひたいに汗がにじんだ。


待ち合わせ場所はカフェ併設の本屋さん。はじめて行く場所だ。

今日会うのは私を含めて6人。


カメラマンの池田こーきさん

voicyのオウンドメディア編集長のうすいよしきさん

noteのディレクター・tamaさん

ピースオブケイクのデザイナー・佐賀野さん

TABIPPOの旅するメガネさん


この中で、会ったことがあるのはうすいさんと佐賀野さんだけ。そのほかの人が店内にいても気づけない。

DMグループに到着している旨を送信してアイスカフェラテを飲んでいると、大柄な青年に「吉玉さんですか?」と声をかけられる。

池田さんだろうな、と思ったらそのとおりだった。


すぐにうすいさんが到着し、使わなくなったというカメラをくれた。池田さんも、使わなくなったというレンズをくれる。

はじめて、一眼レフを触る。思ったよりも大きくて重い。

そのカメラはうすいさんが知り合いにもらったもので、うすいさん自身、使ったことがないという(うすいさんは新しいカメラを購入していた)。

池田さんがネットで調べてくれたところ、14年前のカメラだった。

私が二十歳のときのカメラ。一瞬「最近じゃん」と思うけど、うすいさんと池田さんは小学生や中学生だったろう。そう思うと、なかなか年季の入ったカメラだ。

そのうち、全員が到着。

面白いことに、全員が黒・白・紺のいずれかしか身に着けていなかった。

池田さんのカメラ基礎講座。

私とうすいさんはカメラを触ること自体はじめてなので、電源の入れ方や、「ここがシャッターで、半押しするとピントが合います」みたいなところから始める。

私たち以外の人はみんなカメラを使い慣れているけど、カメラ講座に付き合ってくれた。

シャッターを人間の目に喩えて「しぼり」と「シャッタースピード」について教えてもらい、各撮影モードの説明も。今日はまずオートで撮れるようになりましょう、ということになった。

このあと、実際に街に出て撮影をするのだけど、うすいさんの提案で「テーマを決めて大賞を決めましょう」ということになる。

さっくり話し合い、テーマは

①風景・人物
②平成最後の夏
③祭り

に決まった。


カフェを出ると、歩行者天国になった道玄坂をお神輿がやってきた。

お神輿を担ぐヤンチャっぽいお兄さんたちと、纏を振るきれいなお姉さんたち。先導する江戸っ子っぽいおじさんたちと、祭りの空気がすっかり板についている子どもたち。

揃いのハッピを着たひとたちは、ひとつの大きな家族に見える。

わぁ……!

意外だと言われるけど、私はお祭りのワイワイした空気が好きだ。

私は偏屈だけどいわゆる陰キャではないので、他人が楽しそうにしていても「けっ」と思わない。楽しそうにしている人を見るのは好きだ。

だから、あのワイワイしたお祭りの雰囲気を撮りたいのだけど、なんだかうまくいかない。

ごちゃごちゃした、よくあるスナップになってしまう。


おのおの、テーマ③「祭り」の写真を撮る。

たまに池田さんが「遠くにピント合わせて手前ぼかして撮ってもいい感じですよ」「こっちから撮ると逆光でいい感じになりますよ」などとアドバイスをくれる。

逆光で撮ってみた。

今まで逆光=暗くなるイメージで避けていたけれど、逆光で撮るとふわーっとした幻想的な写真になった。


テーマ①「風景・人物」も撮ろうと思うけど、歩いている人をなかなか撮れない。ピントがずれてしまう。

立ち止まっている人なら撮れるんだけど、渋谷で立ち止まっている人はあまりいない。


tamaさんが嬉しそうに「みんなで撮るっていいねぇ、いつもひとりで撮ってるから」と笑う。

うすいさんも「写真楽しい!」とニコニコし、自信作が撮れると「これ見てください!」とディスプレイを見せてくれる。

あぁ、私はこんなに笑ってないし、楽しんでないな。

無意識のうちに「いい写真を撮ろう」「仕事で使えるようにカメラをマスターしなきゃ」と肩に力が入っていた自分に気づいた。


三脚を使い、全員で記念撮影。

配色バランスの良い6人。


スクランブル交差点のあたりでいったん解散し、2時間の自由行動。17時半に駅の反対側のカフェに集合することになっている。

テーマ②「平成最後の夏」を撮らなければ……!

「夏」を感じる被写体を探し、ひとりで来た道を戻る。商店街を抜けて、ぷらぷらとスペイン坂、センター街のほうへ。

もしかしたら、目的もなく渋谷を歩くのは人生ではじめてのことかもしれない。

何十回と来ている渋谷だけど、いつも、何かしらの目的があって来ていた。私にとっての渋谷は、目的地を決めずに歩きたくなるような街ではないのだ。


……どうしよう。

まったく「平成最後の夏」を感じさせるものが見つからない。

なんとなく、目に映ったものを撮影してみた。


……なんか違う。

写真って難しいなぁ。


そのうち人ごみに疲れて、早く指定されたカフェに行って休んでいようと思った。

だけど、地図アプリを見ても道がわからない。駅から徒歩8分くらいのはずなのに、30分以上ぐるぐると迷い続ける。

なんとかカフェの近くまでたどり着いたところで、前方から佐賀野さんが歩いてくるのを見つけ、助かった、と思う。

結局、カフェに到着したのは約束の時間ちょうどだった。


カフェに行くと、すでに池田さんと旅するメガネさんが着いていた。そのうちにうすいさん、tamaさんも到着。

みんな、自分が今日撮った写真の中から、エントリーする写真を選ぶ。

私がエントリーしたのはこれ。

①風景・人物

うすいさんと池田さん

②平成最後の夏


③祭り


全員の写真をツイッターのDMグループで共有。

ここで、うすいさんから付箋が配られる。それぞれの部門でいちばんいいと思う写真を付箋に書き、うすいさんが回収・集計する。投票方法は意外とアナログなのだ。

結果、

①風景・人物は旅するメガネさん

あっ、私も撮った壁……!

②平成最後の夏は佐賀野さん

どこにあったんだ、こんなの……。

③祭りはtamaさん

私もこの子いいと思ったんだよな~(撮ったけどブレブレだった)。


皆さん、風景全体をぼんやりと写すのではなく、ピンポイントで切り取っている。

技術的なこと以上に「被写体を選ぶセンス」の重要性を感じた。

ここでも、うすいさんは「写真楽しい!」を連呼していた。

同じ初心者なのに、「写真って難しいなぁ」と感じていた私とはずいぶん違う。

性格の違いなんだろうなぁ、と思う。

そのカフェでご飯を食べる。

よく考えたら、お互いに本名とか経歴とか知らない人ばかりなのだけど、話題は尽きなかった。

写真の話、noteの話……。面白かったのは「最近のインタビュー記事は取材対象を画面の端に寄せている写真が多い」という話。ぜんぜん気づかなかった。

tamaさんが、私がcakesで連載している「小屋ガール通信」を読んでくださっていて、「吉玉さんがいた山小屋に行って星の写真を撮りたいです」と言った。

もしも「小屋ガール通信」が山に興味を持つ入り口になったのだとしたら、とても嬉しい。それが、あの連載を通して私がやりたいことだからだ。

だけど、北アルプス(の私がいた山域)は例年10月10日くらいが初雪。

初心者が快適に登れるのはやっぱり夏山なので、来年をお勧めした。

カメラを使いこなせるようになったら、やりたいことがある。

地元・札幌を紹介する記事を書きたい。

写真を習うことが決まったあとに地元で地震があり、募金はしたのだけど、「書くことでも何かしたい」と思った。

観光客誘致につながるような記事はすでにたくさんあるだろう。

私は札幌出身なので、観光客が行くところは実はよく知らない。時計台も、前は何度も通っているけど中に入ったことはない。ジンギスカンは家で食べるものだから、ジンギスカン屋に行ったこともない。

じゃあそんな私に書けるものはというと、百年記念塔とか、どんぐり・セコマ・ロバパンとか、ローソク出せ(北海道の風習)とか、ソリ遊びに最適な坂のある公園とか、20年前に岡田監督が住んでいたマンションとか、そういうことだろう。

どのくらい需要があるかはわからないけれど、札幌に興味を持ってもらえたら嬉しい。

そんな記事を書くためにも、写真は必要だ。

もっと練習する。


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