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その業務、アウトソーシングが必要ですか?経営者が定めておくべき外注の判断基準


  • 2021.02.26

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今回は業務のアウトソーシング(以下、外注)について考えます。

確定申告を漠然と税理士に依頼している方や、人事関係の手続きを社労士に任せっぱなしにしている経営者のみなさん、ぜひご一読ください!

外注の際に経営者が明らかにしておくべき認識

業務を外注するにあたって経営者が前提とすべき認識は、「外注=時間をお金で買っている」ということ。

単純に「楽になるため」であればその外注は不要です。

たとえば1週間かかる確定申告の手続きを、数万円の費用で税理士に依頼したとします。

ではあなたはその税理士にかかる費用を、同じ期間で利益として生み出すことはできるでしょうか?

作業を外注するかしないかは、まずこのバランスが取れているかが判断の基準です。

税理士に支払う費用以上の利益が出せないのであれば、確定申告は経営者自身が行うべき業務です。

費用と利益がイコールである場合は、私なら「プロに頼んだ方がミスが少ない」という理由で外注します。

業務の基本を把握した上で利益と費用がイコールなら、外注には価値があるという判断です。


ただここで多くの経営者が勘違いしているのが、「苦手な業務だから出す」、「会社規模が大きくなって目が行き届かないから出す」という考え方。

たとえば税理士や社労士のようにプロフェッショナルと同等の知識や技術が得られなくても、経営者は会社の数字や組織の状態は必ず把握しておかなければなりません。

「負担が減る、間違いがなくなる、任せっぱなしでOK」。

専門家は経営者の負担を減らすことが仕事なので、悪意なくそういう言葉をかけます。

ただ自営などではなく、従業員を雇用してある程度の規模に会社を成長させた経営者のなかに、税務などを外注で丸投げしている方はいません。

外注はあくまで、経営者自身が内容を把握した上で、そこにかかる時間を節約するために行うことです。


弊社が外注の際に判断のめやすにしていること

税理士への確定申告を例にあげてきましたが、社員が負担する業務の外注についても、弊社では明確な基準を定めています。

たとえばこのブログが掲載されているホームページ(NO+E)。

弊社では自社で制作せず、専門業者に委託しました。

理由はふたつあります。

ひとつめは前章でお話ししたとおり、ウェブの専門知識がない私やスタッフが時間をかけて作るより、プロに任せた方が時間的なコストが抑えられる上に、精度の高いものができるから。

ふたつめは自社に必要な機能を、今後も効率よくアップデートしていくため。


そもそも弊社では、ホームページは必要ないと考えていました。

新規顧客やコアな支援を必要としないお客さまがネットで検索して、わざわざ足を運ばれるといったケースは少ないからです。

一方でお客さまが増えている現在、かかってきた電話に担当者が即対応することが難しくなり、お客さまとのコンタクトが取りづらいという課題を抱えていました。

そこでホームページに電話・メール・Web相談・LINE無料相談の機能をつけ、手軽な連絡手段として活用することに。

お客さまが担当者の連絡先をなくしても、簡単に連絡できるようにしました。

現在はLINEでのコミュニケーションが大きな割合を占めていますが、将来的にはまた別のツールが登場するでしょう。

その際も追加をプロに依頼すれば、簡単に新たな機能を加えることが可能です。

以上がホームページの制作に際して、弊社が重視した点。


制作会社のなかには「ホームページがない会社は今後やっていけない」などと不安をあおる会社もありますが、業種によっては必要ない場合も十分あります。

経営者は「なんのためにこの外注が必要なのか」を常に考えることが必要なのです。


自社の価値を上げるためにかかるコストを見きわめる

外注の判断基準は、コストパフォーマンスだけではありません。

自社にとって強みとなる業務は、ある程度のコストがかかっても内製化するべきところです。

自社の価値を高める業務の時間を確保するために、その他の「必要だけど重要ではない業務を外していくこと」もまた、外注における適切な判断といえるでしょう。

私は社員の業務を外注する際は、社員が負担した場合にかかる時間を計ります。

ただ重要なのは時給の高さではなく、あまり価値のない作業が1日の勤務時間のうちどれくらいの比率を占めているかを把握すること。

社員にしかできない業務に集中し、8時間の勤務時間でより高い価値を生み出していけるのであれば、そうでない業務は外注を検討する余地があるのです。

たとえば弊社店舗には多くのお客さまが来店されるので、明るく清潔に保つことは非常に重要です。

一方で清掃はある程度の時間がかかるものの、誰が行っても自社の価値は変わらない業務です。
(注)清掃を通じて従業員教育ができうるのであしからず

そこで清掃は休日に業者に依頼し、平日は朝一番から自社業務に集中できる環境を整えています。

経営者が「ラクをしたい、苦手な業務はやりたくない」気持ちで依頼する外注は、経営を圧迫するムダな経費です。

外注費は「時間を買った経費」と考え、それぞれの会社に合わせた判断の一助としてください。


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