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新事業の責任者を成長させるには、株主と親会社どちらの立場で関わるべき?


  • 2022.07.11

  • トレンド

コロナ禍によって、多くの会社が複数事業を持つことをこれまで以上に意識するようになりました。

同業種だけではなく、まったくの異業種で新事業を始める経営者が増えたのも、リスクヘッジを考えてのことでしょう。

そこで今回は新事業を始める際、責任者をどう育成すれば成功させられるのかを考えてみました。

建設会社社長がスポーツジム事業を展開


先日知人から、「知り合いの建設会社社長がスポーツジムを始めたが、うまくいっていないのでアドバイスしてほしい」との相談を受けました。

話を聞いてみるととあるご縁でジムのインストラクターと知り合い、スポーツジム事業を手がけることを決意したとのこと。

本業である建設業が不況の影響で苦しいこともあり、異業種で収入源を作りたいとの思いがあるようです。

将来的にはフランチャイズ展開も視野に入れ、内装の凝ったおしゃれなジムを作ったそう。

  • 建設会社社長は出資はするものの、ジムの経営など一切の責任はインストラクターに任せたいとの思いがあるといいます。

ただ問題はインストラクターに経営経験がなく、コンセプトを決めるときも集客方法を考えるときも、建設会社社長に意見を求めがちであるということ。

専門領域である内装などは、どうしても建設会社社長が意見することが多かったと聞きました。

「なんとかして彼を経営者として一人前にし、スポーツジム経営を軌道に乗せたい」というのが建設会社社長の希望です。

株主なのか親会社の社長なのかを明確に

この話を聞いて私はまず、今の建設会社社長とインストラクターの関係性は、親会社の社長と子会社の社長のようだと感じました。

彼ら二人が今後もその関係性を望み、親会社と子会社としてやっていくなら今のままで問題はありません。

ただ今回建設会社社長が求めているのは、株主と社長の関係

「経営の一切を任せるから責任を持ってやってみろ」と言いたいわけです。

関係性は親会社と子会社のそれなのに、求めているものが違うから問題が発生している。

そこがポイントなので、建設会社社長はまず、自分の立場を親会社の社長なのか株主なのかはっきりさせる必要があります。

親会社の社長として一切の面倒を見るというのであれば、経営者としてあらゆることを教えていかなければいけませんね。

一方株主として対等な立場でやっていきたいのであれば、経営には口出しせず社長の方針を尊重し、結果責任を求めていくのが理想の関係でしょう。

株主と社長という立場に立って、お互いの主張を対立させながら対等な立場でい続けることがスポーツジム成功のカギになるはずです。


経営初心者に必要なのは「経営計画書」

では建設会社社長の希望通り、株主と社長という立場で新事業を成功させるにはどうすればよいかを考えましょう。

現在は出資してもらっていることに加え、インストラクター(以下、社長)は経営経験がないことで建設会社社長に頼ってしまうという構図ができています。

それを丸ごと改善するには、銀行でお金を借りた場合に求められる「経営計画書」を作成することがおすすめです。

経営計画書を作る際に必要なのは、自分のやりたいことと市場から見た自社の立ち位置を考え、「自分ならこのポジションを取れば勝てる」という立ち位置を見極めること。

そして競合他社と見込み客の数を概算し、その立ち位置で上げられる収益とかけられるコストを計算し、何年でかけたコストや借入金を返済できるのかを計算します。

それによって社長は自分の会社の数字を把握し、「この会社はお客様や社会に対してどんな価値を提供する会社なのか」というコンセプトメイクができるようになるのです。

それには内装ひとつとっても、「競合や人気店はどんな内装で集客しているのか」といったリサーチや勉強が必要になりますが、それこそがこの社長にとって必要な経験。

幸いにもすでに建設業という厳しい世界で成功している人がそばにいるわけですから、経営について必要な知識をどう身につければよいのかは、教えてもらうことができますね。

経営計画書を作成するなかで、社長は建設会社社長などの成功者へ相談することで、自身の考えもまとめやすく、思慮の足りない部分も気づき、アドバイスをもらえることでしょう。

つまり、建設会社社長も経営に口を出すのではなく、経営の先輩としてアドバイスをすることができれば、スポーツジム事業の成功も見えてくるのではないでしょうか。


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