「家族がなくても生活出来る」社会の実現を
『結婚はプロジェクトマネジメントである』という本を出版致しました!よろしければどうぞ!
共働き社会を促進することで、家族が「リスク」になり得る
共働き社会を促進することで、家族が「リスク」になり得ります。
アメリカでは「家庭の職場化」という現象が起きています。
共働きカップルが、家庭と仕事の両立をマネジメントするなかで、家族生活がもはや単純に安らぎをもたらすものではなくなりつつある、ということです。
女性は仕事と家族の両方をマネジメントする
現在の日本も、特に女性にとっては、仕事と家族の両方をマネジメントするような社会になりつつあります。
男性にとっては、仕事上の挫折は他でもない仕事の領域で生じるのかもしれない。
しかし、女性にとっては、家庭生活が仕事の挫折の原因になり得ます。
女性は結婚・出産、あるいは介護を機にキャリアの転換を余儀なくされる可能性がある
家族マネジメントがうまくいかなければ、女性は結婚・出産、あるいは介護を機にキャリアの転換を余儀なくされる可能性があります。
このまま共働き社会化が本格的に進めば、今度は夫と妻は「共同経営者」として、仕事と家庭を調整しながら運営しなければなりません。
しかし、どれもうまくいかず、いずれかが犠牲になることも多いでしょう。
「不自由な親密性の世界」
仕事が家庭のリスクになり、家庭が仕事のリスクになり、両方が人生のリスクになります。
これは、まさに「不自由な親密性の世界」です。
リクルートブライダル総研が恋愛・結婚の実態について詳細を把握するため、今年9月、全国の20歳から49歳までの未婚の男女1200人を対象にインターネットで行いました。
未婚男女の7割「恋人いない」、結婚したい女性は5割切る
全体で「恋人がいる」人の割合は29.7%。「現在恋人がいない(付き合ったことはある)」は36.2%、「現在恋人がいない(付き合ったことがない)」は34.1%で、7割が「恋人がいない」という結果が出ました。
3割が「恋人がいなくて交際経験もない」
男女別では、男性の39.0%、女性の28.0%が「恋人がいなくて交際経験もない」と回答しました。
どちらも調査を始めた2012年以来、最高の値になりました。
「(今後も)結婚はしたくない」または「どちらとも言えない」と答えた人に、結婚したくない理由を複数回答で聞いたところ、男性は「金銭的に余裕がなくなる」が42.5%で最も多く、次いで「行動や生き方が制限される」(32.5%)、「自由さや気楽さを失いたくない」(20.6%)、「メリットを感じない」(20.0%)、「家族扶養の責任が負担」(19.8%)などとなりました。
一方、女性は「行動や生き方が制限される」の40.5%が最多で、「メリットを感じない」(31.6%)、「自由さや気楽さを失いたくない」(29.8%)、「金銭的に余裕がなくなる」(27.7%)、「必要性が感じられない」(27.7%)などが続いています。
結婚する方が8割以上だった今までの世界がキモかっただけ
男性が金銭や扶養責任の負担を理由に挙げているのに対し、女性は行動や時間の制限、生活スタイルの変化など、理由が多岐にわたりました。
正直結婚する方が8割以上だった今までの世界がキモかっただけで、5割が「結婚したい」、5割が「結婚したくない」の世界の方が健全だと思います。
「結婚」や「出産」は人生のマストではない
もっと人生の選択肢に幅があるべきです。「結婚」や「出産」は人生のマストではないです。
【出所】読売新聞ONLINE『未婚男女の7割「恋人いない」、結婚したい女性は5割切る』
https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20231213-OYT8T50005/
「家族主義」からの離脱
気軽に結婚し、気軽に子どもを作ることができる社会、家族が上手くいかなくなってしまったとしても、それほど困らない社会をめざすべきだと思います。
「家族で失敗できないぞ」というプレッシャーがある社会では、人々は家族から逃避してしまいます。
「家族がなくても生活出来る」社会の実現を
逆説的ですが、家族を気軽に作れる社会のほうが、結果的には家族が上手くいくのではないでしょうか。
何故なら、家族以外の支援が得られ、人々が家族の本来の良さを楽しめるようになり、家族が壊れてしまうリスクを軽減できるからです。
従い、「家族主義」から離脱し、「家族がなくても生活できる」社会の実現を作者は提言します。
【参考】筒井淳也(2016).『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』.光文社