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【ショートショート】副業で代行を

「え?それじゃあ山田って代行サービスの副業やってんの?ガッツあるねぇ」
「はい。ここが副業OKな会社でよかったです」
「ちなみに何の代行してんの?」
「ここだけの話ですけど…人生の代行です」
「…人生って、いわゆるあの人生?」
「はい。その人生です。様々な理由で依頼者が継続できなくなった人生を代わりに生きるんです」
「生きるんです。って、いや、無理じゃん。今山田としての人生謳歌しちゃってるじゃん」
「実は先輩…山田の方が代行なんです」
「そっちかよ!だとしたら代行で本業してるわけだから副業になってないんじゃないの…ってどうでもいいわそんな事。山田じゃないならお前誰だよ」
「不覚にも人生代行によって、本来の自分自身が継続出来ないので僕の人生を代行に依頼したんです。それが今日から配属になる彼、鈴木です。僕本当は鈴木なんです」
「鈴木です。よろしくお願いします」
「おいおい、複雑な後輩二人体制でどんだけ先輩の情緒弄ぶんだよ」
「今まで通り僕山田、新人鈴木で深く考えずシンプルに接してください…小林先輩、もとい私に代行を依頼した山田さん」

「あ、やっぱり俺が山田ってバレてたんだ」

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