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五折六参・七転八倒・九落十挫

改編時期に思うこと

4月は新年度ということもあり、放送メディアでは「改編期」というタイミングです。特に4月は年度が変わるタイミングで年末ごろから策定する「予算編成」の時期となり、例えば、営業部、編成部など、部署ごとに新年度の予算が確定していきます。特に2024年の春は長寿番組がいくつか終了しました。長寿番組とはスポンサーがしっかりついている(例:世界・ふしぎ発見!)ことが多く、スポンサー企業が「やめる」と言わない限り、続きます。また、大口スポンサーなので、メディアもtop priorityとして扱いますので、営業の中でも優秀な人間を担当につけるなど、「継続」こそ命題であるのです。特に2010年代中盤からYou Tubeが流行り始め、スポンサー企業自体が映像コンテンツを使い始めるようになると、テレビで広告を打つ意味があるのか、疑問を持つ企業さんも増えていきました。

放送メディアからのスポンサー離れが顕著

放送メディアは「電波特権」がこの時代になって逆に足枷となり、スポンサー獲得に大きな障害となってしまっているのです。放送事業はあくまでも放送しかできません。通信事業を行うことはできません。インターネットを利用した事業を行うことができないのです。一般企業は登記(定款)を変えることで事業内容を増やすことができますが、国に認可された免許事業なので、簡単に事業内容を変更することができません。同じマスコミ業でも新聞社などは不動産やいろんなことをやっているんですけど、テレビとかラジオとかの放送ってできないんですよね。飲食業とかできたら、また違ったかもしれないんですけど、その飲食店を自社の放送で宣伝できてしまうかもしれないですよね。まあ、マズそうです。

放送メディアが今できることとは何か

放送メディアは独自の努力で生き残っていくことはできません。他の事業に進出することが難しい以上、いかにして「電波」を使いながらやっていくのかを考えるしかありません。なのに「電波」は、もはや宣伝媒体としての効果は素人さんが発信するSNS以下でしかありません。テレビのスタッフも薄々わかっているからSNSの記事を「使わせてください」とDMするんです。こんな状況で何ができるのでしょうか。どうやって飯を食っていくつもりなのでしょうか。私が思う、唯一、生き残っていく道はクライアントに対して「インターネット+電波」をセット売りしていくことだと考えます。それは放送にしかできない技だからです。

伝統芸には伝統芸としての生き方がある

厳しい現実として、今後「放送では生きていけない」ことは間違いありません。マスコミでも新聞だけはやっていけます。ただ、どんなに大きなキー局でもテレビとラジオは確実に潰れます。私の予想でラジオは余命5年。テレビは団塊ジュニアが死んでいくまでの余命30年程度かと思っています。このままでは・・・です。西野亮廣氏が「テレビは伝統芸能として生きていくしかない」と言っていたことがあるのですが、まさにテレビ業界が置かれている状態とはその通りで、やれることは、統合と縮小しかないと思っています。地域に2つチャンネルがあれば十分ですし、規模も大幅に縮小すればやっていけるでしょう。小ぢんまりやっていけば良いのです。ドラマはNetflixでやれば良い。報道もいらないでしょう。今まで地道にやってきた「電波事業」を大幅に規模を縮小して続けていくのです。伝統芸能として。国が「電波事業やめるわー」っていうまで、何とかかんとかやっていくということです。社員を半分くらいにすればやっていけるのではないでしょうか。それもできるだけ早く管理職から首を切っていくのです。今なら間に合います。放送管理は全てオートメーション化を行い、従業員などの管理は全てデジタル化。AIの導入でニュースなどもAIが伝えれば良いのです。そこまでやれば、今なら国のデジタル化補助金なども使える可能性があります。

改編期に思うこと

もはや、改編期に番組改編などをしている場合ではないのです。改編ではなく、社内の改変を思い切って行わなければ総員玉砕しますよ。武器を待たされないまま、戦場に駆り出されている若手社員たちは、今後、悉く討ち死にしていくのです。放送メディアの経営陣は責任を持って若手社員たちのために役に立たない社員の首を切っていく大鉈を振っていただきたいと思っています。会社には社員を守るという使命があることを忘れないでください。

就活生は絶対にマスコミ業界を選ばないでください。
「君死にたまふことなかれ」


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