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「平成ミドル・マネジメント覚書」#10 計画・推進管理② : あるべき数字を追いかけてはいけない

○PDCAのコツ
・Pから始めない。現状把握(C)から始める。まず、現状把握の精度を向上させる。
・サイクル化する-定例的な場を設定する。小さく速く回す→現場のリズムに合わせる
・高望みしない・・・小さなAを積み重ねる
・本社から現場まで一気通貫→指示したことが評価反省されて本社に戻ってくるまでの「サイクルタイム」を考える。実際に絵に描いてみれば分かるが、ワンサイクル4ヵ月かかるのも当たり前。年に何回も回せるものではない。
   n月 n+1月 n+2月 n+3月 n+4月
本社  ↓                  ↑
中間組織   ↓           ↑
現場       実施・評価反省
・したがって、現場で小さく速いPDCAサイクルを確立し、これを本社までつなぐ大きなPDCAサイクルにつなげていくことが肝要。
・しつこくやり続ける・・・ある時点でメンバーが取組の意味に気づくようになる(気づかないまま終わることも多いが)。気づきを得たメンバーが自主的に取り組むようになったら、「改善」と言える。
 
○あるべき数字を追いかけてはいけない。あるべき姿を追いかける。メッキの数字と地金の数字を見分ける
・あるべき数字だけを追いかけると、部下・現場は無理をして数字を「作る」。短期的な目標達成のためには、このような「メッキの数字」も必要だが、いずれメッキははがれる。
・大事なのは、数字という成果を通じて人材が育つこと。「あるべき姿」で仕事が進められているか、ということと、その範囲での「地金の数字」を確認して、これを伸ばすことが大事。
・数字(成果)は後からついてくる。
 
○時計の針は速めてもいいが、目盛りを省いてはいけない。ものさしはいじらない。
・改善・キャッチアップのために、必要なプロセスを飛ばしたり、必要以上に短縮してはならない。
・諸事情から評価は斟酌してもいいが、評価基準そのものを変えてはならない。

プロジェクト・マネジメント
○ダメなプロジェクトのチェックポイント
①   目標・ゴール・期限が不明確(責任なし)
②   プロジェクトオーナーが不明確(権限なし)
③   PMOが弱体(一体感なし)
④   成果不明のままずるずる継続(終わりなし)
 
報告・説明
○報告
・報告は、精製米。味や香りはいいが、ビタミン、ミネラル、食物繊維が失われている。下からの報告にばかり頼っていると脚気になって末梢神経障害や心不全を起こす。「素材」を部下と一緒に「料理」することが重要。
・一回でまともな報告があがってくると考える方がおかしい。一回目の報告を並べて、出来のいいところを示して再度お願いする。
・ちゃんとした報告を期待するなら、まず自分の目で現場のオペを確認し、精通者の話を聞くこと。そのときに一見関係ないところもしっかり見ておく。後になって、実は関連していた、というのはよくあること。
 
○情報
・一見目立たないひとが重要な情報をもっている。コールセンターはお客様とオペレーションのはざまで苦労している。調達部門は、契約の執行状況を通じて会社の動きが見えている。直接当たるのではなく、このような「裏」から情報を得ることも考える。
 
○社内での説明
・組織階層が違う者の説明は肚に落ちない。同じ階層のひと同士で話をさせる。
・説明は、①総論、②各論、③質疑応答、④体験談、⑤総括の「ミルフィーユ」で。


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