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Vol.35_人材育成を考える③~デザインされた経験~

こんにちは。
あっという間に桜が満開っ!いい季節ですね。というか、もう3月が終わるのか……。やばいっ(汗)

さてさて、今回は「人材育成を考える」の第三弾「デザインされた経験」。意図的に経験を仕組むってあんまり意識したことなかったけど、結構大きな影響がありそうで、私は大変興味があり、目下勉強中なのであります。

今日もまたつらつらと書きまする…
よろしくお付き合いください。


1.はじめに

経験学習の理論的系譜には「経験学習モデル」「経験からの学習論」「経験と内省を重視した批判マネジメント教育論」などが存在するとのこと…。今日は、それぞれがどのような理論なのかを解説する……ことはしません。(できません…笑)

興味ある方は『経験学習の理論的系譜と研究動向』を御覧ください。割と面白いです…(失礼な…💧)

ただ、どの理論にも共通していることとして、東京大学准教授中原淳氏は次の2点をあげておられます。

1)学習における経験・実践の重視
2)経験の内省(reflection)

「人は経験から学ぶのだ」ということや「内省によって学びが深くなる」ということは私達の実感としても腹落ちするものであり、様々な理論に共通して挙げられるのも納得がいきます。

そして、やはり人の成長には『経験』が非常に重要で、企業側がいかにこの『経験』をデザインするか…が大きなポイントになるということを確信するのです。

2.有効な経験の抽出

どういうことを学んでもらうために、どのタイミングで、どういうチームのどういうポジションに配置して、どういうミッションを与えて業務を遂行してもらうのか…、こういうことを考えるのが「経験をデザインする」ということかと(勝手に)思っておりますが、

何を学んでもらうのか…?そして、それにはどんな経験が有効なのか?これがまた難しい…。(きっと、難しいから、「何事も経験だっ!」などと言って前線に放り込み、そうしてOJTと言う名の放置プレイが蔓延していくんだろうな)

なんの手がかりもなく「有効な経験とは?」と議論を始めても拡散する一方になりそうなので、これまでの研究から明らかになったものをヒントに進めてみるのも良いかなぁと思います。

例えば、次世代リーダーの育成を考えた時、

「経験からの学習論」の中心人物である南カリフォルニア大学のモーガン・マッコール氏らは1980年代に、すでに組織内で成功を収めた上級役員を対象に経験と教訓をインタビュー調査し、以下のことを明らかにしたとのこと。

リーダーシップ開発のためには、「プロジェクトチームへの参画」「悲惨な部門・業務の事態改善・再構築」「新規事業・新市場開発などのゼロからの立ち上げ」などのリーダーシップを発揮しなければならない「経験」が、企業組織の「戦略」に同期して計画的に付与されることが必要である。

「経験学習の理論的系譜と研究動向」
(東京大学中原淳准教授)より

また、最近では特定職種の経験学習プロセスを解明する研究も進んでいて、マネージャー職だけでなく、営業職やコンサルタント職などの個別の職種でどのような経験が有効なのかも明らかになってきているといいます。

このような、研究によって明らかになってきたことをヒントに、「では、自社の次世代リーダーにはどんな経験が必要だろう…」と考えてみると、整理が付きやすいかもしれません。

そうやって自社内(最近は自社内だけではないけれど)での有効な経験を具体的に抽出し、その経験から”何を学んでほしいのか”という企業側の期待までを明確にしていきたいところです。

それから、「戦略と同期」することも大事ですね。あくまで実践的な経験が重要なので、自社の戦略を実行する中に「デザインした経験」を織り込むということが肝心なことだろうと思います。まあ、確かに、オフラインでは迫力ありませんわな…

3.意図の共有

しかし、経験をデザインするだけでは不十分です。というか、せっかくデザインした経験をきちんと活かすためにも、対象者とその意図について共有することが大事だと思います。

「親の心子知らず」ではありませんが、意図を理解してそれを意識して経験してもらわないと、意図したことを学んでもらえなかったりする可能性があります。

この点、「何を学ぶかはその人次第…」と敢えて放置プレイを是とする場合もあるかもしれませんが、その場合は経験をデザインすることにほとんど意味はないように思うし、それでは企業は「人材を育成している」とは言えないのではないかと思います。

また、対象者も、意図を理解しながらのほうが迷いも少なく、苦しい時にも乗り越える動機になり、より良い経験を積めるに違いありません。

4.次回(時期は未定)

経験をデザインする…って難しいなぁ。理屈はわかるんだけど…。

まあ、デザインして、実践して、修正して、の繰り返しなんでしょうね。簡単ならみんなしてるしね。笑

次回は、効果的な人材育成に必要な3つの視点の3つ目、『個別のフォローと伴走』の予定です。

今日はここまで。

5.参考


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