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Vol.34_人材育成を考える②~経営戦略との連動~

こんにちは。

ようやく暖かくなってきました!
待望の春はもうすぐそこ。もう嬉しくてソワソワしてしまいます。

さて、今回は「人材育成を考える」の第二弾で、必要な3つの視点の1つめ『経営戦略との連動』です。

前回(記事はこちら)、効果的な人材育成がなされないのは「育成の動機が弱いからなのではないか」とぶち上げ、「それは経営戦略と連動していないためではないか」と評論家真っ青の正論を披露させていただいたのですが、この『経営戦略との連動』が難しいったらありゃしない!

しか~し、このテーマについて書くと言ってしまったので、私なりの思いをつらつらと述べたいと思います。(いつも、つらつら)


1.「たった1つ」に絞る

人材育成戦略を考える時、「求める人材像」を設定し、現状とのギャップを明らかにしながら、それを達成するための道筋を立案していきますが、「しっかりした戦略を…」とあれもこれもと考えてしまうところに落とし穴…。

最近は『人的資本経営』とか『戦略人事』といったテーマでセミナーが開催されることも多く、その中で人材育成戦略の事例が紹介されます。

しかし、その紹介事例がとってもすごいのです…笑。うん、すごすぎるのです。とてもじゃないけれど、我が社にはそんな高度な戦略を実行する力はないし、そもそも自分にそんなすごい戦略設計のスキルがない…💧

でも開き直って、「別にすごくなくていいじゃん」と思うのです。こちとら地方の田舎の非上場の中小企業…。人材育成戦略など誰にもとやかく言われることなく自由に考えられるのです(言いすぎ…)

例えば、

  • 求める人材像を1つだけ挙げるとしたらどのようなものになるか…

  • その求める人材像は、そういった人材を育成するための具体的な戦略が描けるほど明確で自社特有なものになっているか…

こういったことを経営者とともに繰り返し検討し、「○※△❏☓…ということが出来る」というたった1つの求める人材像を設定し、そういう人材に育成するための戦略を1年間(何年間でもいいのだが…)徹底的に実践してみる…。

そんな風に尖ってもいいんじゃないかと思うのです。

そして、きちんとリフレクションして、修正したり追加したりして確実に成果に繋がるように継続して取り組む。リソースに制約がある中小企業ではこのような考え方が重要なのではないかと思うのです。

注意すべきは、「たった1つ」と言いながら、その一つが総花的な人材像になってしまうことです。それでは一つに絞った意味がありません。

2.教養課程と専門課程に分ける

どうしても「一つだけでは…」ということであれば、経営層/リーダー層/メンバー層といったいくつかの層毎に設定するということも方法の一つでしょう。

まずは経営層に絞って人材像を明確にして進めるのは有効だなと思います。そこからリフレクションしながら段階的に拡げていく…。

というのも、経営層が成長すればそれ以下の層も影響を受け成長することも期待できるからです。

また経営層に関しては「もう一段、分けてもいいかなぁ」と思うのは、大学で言う「教養課程」と「専門課程」に分けるということです。

「リーダーシップ論」「経営論」「マネジメント論」「人材育成論」「論理的思考」「戦略的思考」といったベースとして必要な「教養課程」的な領域で身につけてほしいことと、

「ファイナンス」「管理会計/財務会計」「マーケティング」「戦略人事」「DX」といった「専門課程」的な領域で身につけてほしいこと、

このように区分して考えてみるとより具体的に求める人材像が出てきやすいのではないでしょうか?

ここでも重要なのは、一般的に必要なことではなくて、「我が社の経営戦略実行のために、今なにが必要なのか?」ということに絞って考えることでしょうね。

3.経営戦略が先でしょ~!

ここまで人材育成戦略そのものについて意見をしてきましたが、人材育成戦略を経営戦略と連動させるには、何はともあれ、経営戦略が自社特有なものとして明確になっていなければなりません

経営戦略が不明確であれば連動させようがありません。ここを見逃すと、人材育成戦略をいくら検討しても連動はしません。当たり前ですが…。

経営戦略が不明確な状態で人材育成戦略を明確にしようとすると、一般的で総花的で教科書的なものになりがちなような気がします。

人事関係の方はまとめることが上手い人が多い(全くの偏見)ので、大抵はうまくまとめてしまうのです。かくいう私も、上っ面を撫でたように整えるのは得意な方であります…

4.あれも捨てて、それも捨てて、

ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター氏いわく、「戦略とは捨てることである。」すなわち「やらないことを決めることだ。」というわけです。

戦略を考える時、どうしてもあれもやってそれもやって…と考えがちです。我が社でも、年度計画を立ててもらうと理想的な状態を目指した物が出てくることがあります。

その実行のために、あれもやってそれもやって…。「でけへんッ!ちゅうねん」「誰がすんねんっ?」って感じで。

絵空事を描いて実行しないよりも、なんとかできそうなことに集中するほうが何倍もいいはずなのに。

『あれも捨て、それも捨て、でもこれだけはやる!』

というふうな考え方も必要なんではないかなぁ。

そして特に思うのですが、出来ることに集中してやってみて、リフレクションして、「もうちょっと出来るな…」となれば少し高いレベルの戦略を目指し、「あ、これはうまくいかないな…」となればもっと簡単なレベルにする。

そうやって有効な戦略を描く我々のスキルも磨かれていく…、そんなことも期待できるのではないかと思うのですが、実行されない絵空事の戦略とリフレクションの軽視により、我々の戦略立案スキルは一向に上がらないのであります…反省。

5.次回(時期は未定…)

毎度とりとめのない話で失礼しました…。ま、いっか。笑

次回は、効果的な人材育成に必要な3つの視点の2つ目、『デザインされた経験』の予定です。

今日はここまで。

6.参考


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