健康が資産と言われる本当の理由
「資産」というと、貯金や株式、不動産などの金融資産を思い浮かべる人はいても、「健康」と答える人は少ないじゃないでしょうか。
実は、これからの時代は「健康」こそが、人生の3大支出と呼ばれる「老後資金」に匹敵する大きな資産になると言われています。
今回の記事では、なぜ「健康」が「資産」と言えるのか、その理由についてお伝えしていこうと思います。
現在40歳前後の公務員やサラリーマンの方で、健康に自信がないという方はぜひ最後までご覧ください。
少子高齢化、人口減少が迎える未来
厚生労働省が発表している「日本の人口の推移」によると、2020年時点で28.6%だった高齢化率は、2070年には38.7%(10%増)になり、生産年齢人口も7509万人から4535万人に減少(40%減)すると予想されています。
日本は、現在進行形で高齢化率が上昇していくので、現状の社会保険制度や年金制度を維持していくことも難しくなり、働く世代が減少していくので、国民に少しでも長く働いてもらえるように定年が延長されていきます。
一方で、日本人の平均寿命は、20年で3歳くらいのペースで伸びているので、長い老後生活を不健康な状態で突入することは、医療費負担や収入減少に直結する大きな問題となっていきます。
逆に言えば、今から健康に投資をしておくことで、将来手元に残るお金も多くなり、身体も若い状態で老後を楽しむことができるようになるでしょう。
医療費負担が老後の生活を追い詰める
厚生労働省が公表している、令和3年度国民医療費の概要によると、令和3年度は総額45兆359億円、一人当たり約35万円が年間の医療費としてかかっています。
この国民医療費は昨年度から約5%も増加していて、今後も上昇傾向が続くと予想されています。
現在の医療費の負担割合は、70歳までは3割、75歳までは2割、75歳以上は1割の負担割合となっています。(70歳以上は年収に応じて3割負担)
ですが、平均寿命が伸びて、このままのペースで医療費が増加していくと、いずれはこの医療費の負担割合が重くなっていったり、介護保険の適用条件が厳しくなってくることが予想されます。
そうなると、将来的に病院に行けるのが「贅沢」になる時代が来るかもしれません。
また、病院だけではなく、「救急車を呼ぶとお金がかかる」「薬が高くて買えない」「介護を受けたくても受けられない」という時代になっているかもしれません。
つまり、現役世代のように健康で過ごせることは、将来かかる医療費の負担を軽減するだけではなく、適切な医療を受けられれず死んでいくというリスクを避けることにも繋がります。
医療費だけで考えるなら、現役時代に金融資産を増やして対応することもできるでしょう。
ですが、通院のために仕事やプライベートな時間を犠牲にしたり、食事制限で食べる楽しみを失うという損失は、お金で解決することはできません。
だからこそ、老後に備えるためには、「お金」だけじゃなく「健康」への投資も重要になってきます。
働ける期間が伸びる
記事の前半にもお伝えしましたが、これからは少子高齢化社会と人口減少による労働人口の減少が深刻な問題となります。
現役世代だけ人手が足りなくなるので、65歳以上で元気な高齢者も労働者として活躍してもらうことが求められる時代に変わっていきます。
先細りする年金制度への対策
現在の年金制度では、65歳から年金を受給することができますが、将来的には年金も先細りしていくことが予想されていますので、受給額の減額や受給開始年齢の延長が議論されていくと思います。
そうすると、定年になったからといって、スパッと引退するのではなく、年金だけでは不足する老後資金を仕事で補填したり、受給開始時期を遅らせることで、年金だけで余裕のある生活を送るという戦略を取る人が増えてくるでしょう。
現役時代に老後の資金が準備できなかったという人でも、働くための健康な身体さえあれば、老後も暮らしていけるとなれば、「老後2000万円問題」というような呪縛から解放されると思います。
つまり、これからは蓄財をベースにした老後の備えから、労働をベースにした老後の備えにシフトしていくと考えられます。
定年がなくなる未来
令和5年から公務員でも定年延長制度が開始されて、2031年度までに段階的に定年が伸びていき、2031年度には定年が65歳になることが確定しています。
事業主には70歳までの継続雇用を「努力義務」とされていますが、いずれは70歳定年が「義務」になったり、定年という考え自体がなくなる可能性もあります。
また、働く人の意識も変わってきています。
令和5年度版高齢社会白書によると、9割近くの方が70歳以降も「働きたい」と考えています。
これには、経済的な理由もありますが、仕事を通じて社会と繋がっているという幸福感との関係もあるようです。
つまり、これからは「定年」という概念が失われつつある中で、「長く働きたい」という人も増えていくことが予想されます。
そうすると、年収が高いことよりも、働ける期間が長い人ほど、生涯賃金を稼ぐことができる社会になるため、「健康」が大きな資産になると考えられます。
まとめ
健康な身体を維持し続けるということは、将来に必要となる医療費の負担を軽減できることに加えて、働ける期間が伸びることによって生涯賃金を増やすことに繋がります。
また、健康な身体があれば、年金の受給額の減少や受給開始年齢の引き上げなど、将来の不安に対しても、蓄財をベースとした備えから就労をベースとした備えにシフトさせることができます。
こうしたことから、「健康」であることは、人生の3大支出の一つと言われる「老後資金」以上に大きな財産になるのです。
20代、30代では、それほど健康を意識しなくてもやってこれましたが、40代以降は全く別です。
自分で食事、運動、睡眠など健康を管理していかないと、どんどん状態は悪化していきます。
そして、悪化した健康を改善するためには、お金を稼ぐこと以上に時間と労力がかかります。
だからこそ、40歳になった今から「健康」に対してもう一度、真剣に向き合っていく必要があるのです。
今回も最後までご視聴いただきありがとうございました。
次回以降は、健康をテーマとした食事、運動、睡眠などの情報を書籍などの最新の知見と僕の体験をもとにお伝えしていこうと思いますので、気になる方はフォローをお願いします。
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