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ChatGPTの財務諸表分析がすごい(テンプレート付/GPT-4バージョン)

Chat-GPTは、OpenAIが開発した大規模な自然言語処理のモデルであり、様々なタスクに使用されます。その性質から、財務データから企業の経営状態を分析する事が可能です。

前回の記事では無料版のGPT-3で分析した記事を紹介しましたが、今回はより学習データが豊富で高速な、有料版のGPT-4で分析し、人の分析結果との比較を行ってみました。


⚠️注意事項

当アカウント発信の情報に基づいて投資判断を行い、損失が発生した場合でも、当方は一切の責任を負いません。
また、ChatGPTが発信する情報は常に正しいとは限りません。出力結果に対して鵜呑みはせず、必ずご自身で真偽を判断いただくようお願いいたします。
投資にはリスクが伴うため、投資判断は自己責任でお願い致します。

質問内容は本記事有料パートにテンプレートとして販売している都合から、無料部分では伏せる形をとらせていただきます

積水化学工業の分析例

今回のお題は積水化学工業です。
こちらは下記の企業分析noteがありましたので、人の手による分析結果と比較してみます。

ChatGPT出力結果(GPT-4)

・流動比率、当座比率
両指標ともに、安定して高い水準を維持しており、流動性については問題ないと判断できます。

・営業CF対流動負債比率、営業CF対有利子負債倍率
営業CF対流動負債比率は、2011年から2015年にかけて低下していますが、その後は改善しています。営業CF対有利子負債倍率は、2013年以降急激に改善しており、投資家にとってはポジティブな要素となります。

・売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高純利益率
いずれも安定的に改善しており、企業の収益性が向上していることがわかります。

・ROE、ROA
ROE、ROAともに、2010年から2019年まで安定的に向上していましたが、2020年に急激に低下し、2021年も低下が続いています。これは、新型コロナウイルスの影響が大きく関係している可能性があります。

・売上高販売管理費比率
売上高販売管理費比率は、2010年から2015年まで低下し、その後はやや上昇傾向にあります。

・総資産回転率、仕入債務回転期間、たな卸資産回転期間
総資産回転率は、2010年から2019年まで低下傾向にあり、2020年に大幅に低下し、2021年も低下が続いています。一方で、仕入債務回転期間とたな卸資産回転期間は、比較的安定しています。

・固定比率、自己資本比率、負債資本倍率(D/Eレシオ)
固定比率は、2010年から2019年まで低下傾向にあり、2020年以降は上昇傾向にあります。自己資本比率は、安定的に向上しており、負債資本倍率も安定的に低下しています。

・売上高成長率
2010年度から2014年度にかけては減少しましたが、その後は比較的安定しており、2022年度には前年度比で9.6%増加しました。

・営業利益成長率
2010年度から2013年度にかけては増加し、その後も比較的安定して成長しています。ただし、2021年度には前年度比で23.5%減少しています。

・純利益成長率
2010年度から2011年度にかけて急激に成長し、その後も成長を続けています。ただし、2020年度から2021年度にかけては29.8%減少しており、業績が減速していることが示唆されます。

総合的に見ると、この企業は長期的には売上高や利益が成長しており、ROEやROAも比較的高い水準を維持しています。ただし、一部の年度で利益の減少が見られるため、業績の安定性には改善の余地があると言えます。また、財務面では流動性や負債比率が安定しており、経営リスクが低いと評価できます。ただし、株式市場ではPERやPSRが比較的高く、株価が過剰評価されている可能性があるため、投資判断には注意が必要です。

上記の様な出力を得ることができました。
次にこれを人間の分析との比較していきます。

人間の分析との比較

ROE・ROA

人間、GPTともに新型コロナの影響と考察しています。
ただし、GPTは与えられた情報と学習データをもとにしか判断しないため、事業計画をもとに今後の見通しを語ることができていません。

これに対しては、企業のIR資料をGPTに読んでもらい、総合的に判断できるように解析を工夫する必要があると考えられます。

<人間>
過去の推移を見てみますと、2019年までは10%程度で推移していたことが分かります。2020年以降はコロナ禍の影響を受けたのに加え、前期は米子会社の減損により純利益が減少していたためと見られ、今期はROEもコロナ禍以前の10%程度に戻る計画となっています。

<GPT>
ROE、ROAともに、2010年から2019年まで安定的に向上していましたが、2020年に急激に低下し、2021年も低下が続いています。これは、新型コロナウイルスの影響が大きく関係している可能性があります。

自己資本率

人間、GPTともに問題ない結論で一致しています

<人間>
化学業界の自己資本率は平均50%程度で高い水準と言われるなか、積水化学も自己資本比率56.3%と良好な水準となっています。

<GPT>
自己資本比率は、2010年から2018年まで上昇傾向にありましたが、その後は横ばいか若干低下傾向になっています。これは、企業の財務構造が若干悪化していることを示唆していますが、依然として安定的なレベルを維持しています。

D/Eレシオ

こちらはGPTの回答が少なかったため、追加で分析をお願いしてみました。
結論としては、両者ともに底堅い経営を目指していると分析しています。

<人間>
マイナスとなっており、いわゆる実質無借金経営で底堅い財務状況が見て取れます。

<GPT>
回答が少なかったため追加質問してみました
Q:上記D/Eレシオの推移から経営状況や方針を推定してください
A:D/Eレシオが10年間で大幅に低下したことから、この企業は負債を減らしていることがわかります。このことから、経営陣は負債を抑制し、資本構成を改善しようとしていると考えられます。また、この企業は適切なリスクマネジメントを行い、安定した財務状態を保つことを重視しているとも解釈できます。

以上のように、ChatGPTは企業の財務分析において非常に強力なツールになる可能性があります。
財務分析においてはChatGPTへの質問に一工夫する必要があり、そのノウハウを下記記事で発信していますので、ご参考いただければと思います。

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