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431. 生まれた時に男性とされ、戸籍上も「男性」となっている人が、女性を自認しているとします。そのトランス女性は性別適合手術を受けていません。男性器を持ったまま「自分は女性だ」というのは無理がありませんか?それを認めなければ差別になるんですか?

とても難しい問題だと思います。

これまでも同様の問題に答えてきました:

さて、以前の記事も踏まえて改めて考えましょう。

まず言えることは、トランスジェンダーの人々のアイデンティティについては、多くの誤解が存在するということです。

ジェンダーアイデンティティ(性自認)と生物学的性別は異なる概念です。

また、トランスジェンダーの人が性別適合手術を受けるかどうかは、その人の個人的な選択です。

手術を受けていないからといって、その人のジェンダーアイデンティティを第三者が無効にすることはできません。

つまり、男性器があるからという理由で、性別適合手術を受けていないトランス女性に対して「あなたは男性だ」と言うことは誰にもできません。

ジェンダーアイデンティティは、個人が自己をどのように認識し、理解しているかに関連しています。

これは、その人が社会的にどのように認識され、扱われるかとは必ずしも一致しないものです。

トランスジェンダーの人々が自分自身をどのように認識し、表現するかは、それぞれの個人によって異なります。

その一方で、当事者の性別適合手術の有無に関わらず、私たちはトランスジェンダーの人々のアイデンティティを尊重するべきですし、それを否定するようなことがあってはならないと考えます。

トランスジェンダーの人々のアイデンティティを認めないことは、ジェンダーアイデンティティに基づく差別となる可能性があります。

この問題は複雑で世界中でそれぞれの文化や社会、そして個人の価値観によっても見解が異なります。

しかし基本的なポイントは、すべての人々のアイデンティティと自己表現を尊重することが健全な社会のあり方にとって重要であるということです。

先月(2023年10月)に最高裁で「生殖機能をなくす手術を性別変更の事実上の要件とする性同一性障害特例法の規定が憲法違反かどうかが争われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は25日、「規定は違憲で無効」とする新たな司法判断」がなされました(上記引用日本経済新聞より)

世の中は少しずつですが確実に変わってきています。

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