見出し画像

「リーダーシップ」を考える (随時加筆)

リーダーシップとは?

"「リーダーシップとは、部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術である」

この定義には3つの重要な点がある
・やらなければならないことを見極めるのはリーダーの役目だ
・やらなければならないことをやらせるのでなくやりたいと思わせること
・リーダーシップとはサイエンス(理屈)でなくアート(技能)だ

誰もが自分らしいスタイルを発見し、身に付けなければならない。やらなければいけないことを成し遂げるために、正しい人々がともに意欲的に働いてくれるようにする自分らしいリーダーシップのアートだ"

『ビジョナリー・カンパニーZERO』

"アンディ・グローブがインテルで唱えていた口癖がある。アップルでのリーダーシップを表すのに、わたしたちはその表現を借りた。それは「聞き、反論し、コミットする」というものだ。相手の意見に耳を傾ける謙虚さと、反論する自信と、議論をやめて行動に移る潮時を知る知恵を持つ人こそ、強いリーダーなのだ。"

『Radical Candor / GREAT BOSS』

ビジネススキルはピラミッド構造

  / テクニカルスキル \ … 専門的なスキル
 /  ポータブルスキル  \ … 課題把握、コミュニケーション、自己管理
/     スタンス     \ … 物事に対する姿勢・志向

ピラミッド型であることを理解。
土台の上にあるからこそテクニカルスキルが活きる

ポータブルスキル(厚生労働省)コンピテンシー(wiki)

モチベーション理論の変遷

 ・マズローの欲求5段階説
  内発的動機 ⑤自己実現の欲求
        ④承認欲求
  外発的動機 ③社会的欲求 仲間に入りたい
        ②安全の欲求 安全に暮らしたい
        ①生理的欲求 食べたい、寝たい
  →外発的動機が満たされると内発的動機が現れる

 ・ハーズバーグの二要因理論
  ①動機づけ要因: 達成、承認、仕事そのもの、責任
  ②衛生要因:   会社方針、上司、作業環境、給与
  →どちらかだけではダメ。2つのバランスを意識する

 現代では、外的な報酬や罰による外発的な動機づけの有効性は低下している。産業革命後の大規模工場などでは外発的動機づけによるマネジメントが大成功した。 by ダニエル・ピンク「モチベーション3.0」

 ・動機づける力―モチベーションの理論と実践 (HBR)
  Acquire(獲得)   :役職、報酬、社会的地位
  Bond(絆)     :チーム、仲間 
  Comprehend(理解)  :好奇心、成長
  Defend(防御)   :安心、心理的安全性
  →「欲動」がモチベーションの源泉
  →4つのバランスを意識しないとダメな時代へ

 ・ピグマリオン・マネージメント
 「期待」こそが部下を動かす一番の要因である。
  ただし、過度な期待は逆効果。沈黙は期待値の低さを表す。

 ・内発的動機づけによるモチベーション・マネジメントが大事
  アメリカの心理学者エドワード・デシは、内発的動機づけの要素を3つ挙げています。
   ①有能感 自分の能力の向上や能力自体へ高い評価をしている状態
   ②自己決定感 自らが判断できる
   ③関係性 周囲と共同してものごとの遂行を行える
   →ラグビー日本代表を変え、南ア戦の奇跡を起こした
 
 ・満足感

"「何かを成し遂げること自体にそれほど意味はなく、満足感は長続きしない。だが、正しい仲間と協力しながら何かを成し遂げようと努力する過程には、途方も無い満足感がある。やりがいある仕事に打ち込み、成果を上げているなら、とても恵まれている。やりがいある仕事に大切な仲間とともに打ち込んでいるのなら、それ以上の幸運はなかなか望めない」"

『ビジョナリー・カンパニーZERO』

3つの「信頼の力」が無ければリーダーにはなれない

信頼のトライアングルと呼ばれ、どれか1つでも欠けてはいけない要素
・Authenticity(らしさ・信憑性)
 嘘偽りのない本心でメンバーに接していることがわかる
・ロジック
 思考と判断が理にかなっていて納得できる
・共感
 メンバーのこと、メンバーの成功を気にかけてくれている

Harvard Business Review

組織志向マネージャーになる

・組織志向マネージャーとは?
 ・達成動機よりも権力動機
  一人で優れた成績をあげるよりも、うまく人を動かせる事に
  モチベーションがある
 ・親和動機は低い
  部下に好かれたいという欲求が最も強いと、例外を許してしまい
  逆に不平不満が生まれる。事業スピードも落ちてしまう
 ・抑制力が高い
  抑制力が無いと自分の地位や権力に走る。
  抑制力があると組織全体に目を向ける
・ダメなマネージャー例
  親和志向マネージャー: 権力よりも親和タイプ
  個人権力志向マネージャー: 親和より権力だが、抑制力が低い

職種による違いを理解する


         連携度合い 小     連携度合い 大
 環境変化 大  柔道団体戦(営業)  サッカー(開発)
 環境変化 小  駅伝(工場)     野球(飲食業スタッフ)

・サッカー/柔道は環境変化が大きいので試合中に指示は出せず各自が判断
・サッカー/野球はポジションにより求められる能力が異なり多様性が必要
・環境変化(大)→権限移譲、 連携度合い(大)→多様性が必要

『THE TEAM』

これを前提条件として、各個人のモチベーションの源泉や思考、能力をもとにチーム戦略を立てなければ強いチームはできない

正しい人材を選ぶ

"何よりも大切で、絶対に失敗してはならないのが「最初に人を選ぶ」原則だ。あらゆる事業活動のなかで正しい人材をバスに乗せること以上に重要なものはない。ピクサーの土台にあるのは「社運を賭けるべき最高のストーリーは何か」ではなく、「社運を賭けるべき最高の人材は誰か」から出発する"

"バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合は90%か?ふさわしくなければ、育成なのか?交代なのか?"

"次の7つの質問がヒントになるかもしれない
1. この人物を重要ポストにとどめているために他の人材が会社をさりはじめていないか。
2. 価値観の問題か、意志の問題か、あるいは能力の問題か
3. 「窓」と「鏡」をどう使うか
4. 仕事を「業務」とみるか「責任」とみるか
5. ここ1年で、この人物に対するあたなの信頼は高まったか、下がったか
6. バスの問題なのか、座席の問題なのか
7. この人物が退社したら、あなたはどう感じるか"

『ビジョナリー・カンパニー』

目標管理

"目標を実績に近づけるのは間違いである。そのようなことをして達成率をあげてみても、実績の絶対額があがるわけではない。かえって真実の姿がわからなくなるだけである。つまり、問題というのは、目標と実績との差の中にある。この差が大きければ大きいほど問題の大きいことを、我々に教えてくれるものなのである。その差を小さくして、問題を過小評価させてしまう危険があるからだ"

"企業の幹部の態度として最も大切なものの一つは、経営者の役割は未来事業にあることを理解するとともに、その何時に思いをいたし、経営者に要らざる内部の心配をかけないことである。これが補佐のまず第一なのである"

部門計画とは
"1.各部門の目標は自らの意思で決定するのではない。その部門の意志とは無関係に上司から(実は客観情勢が上司を通じて)割り付けられる。
2.自らの意志でたてなければならないのは、割り付けられた目標を達成する計画〜成果達成計画〜である。
3.この成果達成計画で、自らの方針と部下に割り付ける目標を、自らの意思で決定してゆく。"

"会社の中の多くの混乱、トラブル、責任のがれ、無気力などの根本原因は、トップの意志が明確な目標となってしめされていないところにある、ということである。"

『ゆがめられた目標管理』

組織構造

"つまり、マトリクス組織がうまく機能できるか否かは、①職能部門長と事業部長が率直に意見交換を行なってコンフリクト解消できるか否か、②CEO(最高意思決定者)が職能部門長と事業部長のコンフリクトを強権によって解消できるか否か、③ミドルが内面的な葛藤処理を健全に行なえるタフな人材か否か、という条件に依存しているのである。"

『組織戦略の考え方』

その他の引用

"上司が部下を「心から気にかける」ことができない理由のひとつは、「プロらしく振る舞わなければ」というプレッシャーから、親しい関係に歯止めがかかるからだ。「プロらしい振る舞い」という言葉は、本質的な何かを否定している。わたしたちはみな感情のある人間で、仕事の上でも人間として扱われなければならない。職場で人間として扱われないときや、生活のために人間性を押し殺さなければならないとき、人は疎外感を感じる。すると仕事に行くのが嫌になる。「プロらしい振る舞い」とは、たとえばこんなことだ。会社に遅刻しない。決められた役目を果たす。感情を表に出さない(「決起大会」や、その手の自己啓発活動に参加する時は別にして)。そんな職場では、素の自分を普通に出せる人がいなくなる。
 グーグルでわたしを指導してくれたフレッド・コフマンは、「プロらしくあれ」という刷り込みに反対して、こう唱えていた。「あなたの全人格を職場に持ち込みなさい」。"

"上司が仕事にどんな意義を感じているかを打ち明ければ部下のやる気を引き出せるかもしれない。でも、これは肝に銘じてほしい。主役はあなたではない。
 わたしにとってレンの逸話で一番参考になったのは、レンが仕事の目的を考え出したり、みんなの頭にそれを刷り込んだりしなかった点だ。れんが職人はそれぞれ違うことを気にかけながら、同時に3人とも同じことのために働いていた。レンの役割は、職人の話を聞き、聞いたことをしっかりと心に留め、全員がそれぞれに意義を見つけられる環境を作ることだった。"

"仕事と人生を統合してほしい。自分をケアするために8時間睡眠が必要だとしても、その時間は仕事やチームを犠牲にしていることにはならない。  仕事と人生はお互いに「相乗効果」を与えられる。仕事は人間としてのあなたを表現するための時間であり、人生を豊かにするものであり、家族や友人への恵みとなり得る。"

『Radical Candor / GREAT BOSS』

・正直さと忠誠心
  倫理的な誠実さと「自分よりも会社のために一番よいことを行う」こと
  を実践してくれる仲間に感謝・尊敬・忠誠を示す
・「自分の独特の性格を愛せ。生い立ちを愛せ。直感を愛せ」
・「正しい野心」を持って「ビジョンをいきいきと描写できる能力」

『Hard Things / What you do is who you are』

・権限委譲の基準
「経営課題Top.3に入っててCEOが1番早く対応できるもの以外は基本委譲」
(部門も似たことが言える)

Fond 福山さん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?