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今年最大のリスク米調査会社が予想

(産経新聞の記事から)
米政治学者のイアン・ブレマー氏率いる調査会社「ユーラシア・グループ」が、2022年の「10大リスク」に関する報告書を発表したという事です。それによれば、10大リスクとして以下の項目が挙げられています。

①ノー・ゼロコロナ:中国のゼロコロナ政策が失敗し、感染拡大と世界経済の不況を招く
②巨大IT企業が国家並みの影響力を持つ世界:サイバー空間のガバナンス不備で民主主義への不信や個人情報保護の失敗
③米中間選挙:民主、共和両党の協力不能に。トランプ前大統領再登場に道筋も
④中国内政:習近平政権の統制強化で中国経済が低迷
⑤ロシア:ウクライナ侵攻ならソ連崩壊後、最悪の緊張に
⑥イラン:核合意協議の手詰まりでイスラエルによる軍事攻撃も
⑦脱炭素で二歩前進一歩後退:脱炭素による短期的エネルギー不足が各国の政治・経済に影響
⑧力の空白地帯:アフガニスタン、イエメンなどでテロの危険増。ミャンマーなどから難民流出も
⑨価値観の戦いに敗れる企業:環境や人権対応などで企業は高コストに。中国と欧米の対立にも巻き込まれる。
⑩トルコ:エルドアン大統領が経済危機から国民の目をそらすため内外で強硬政策

若干、補足説明を加えてみたいと思います。

【ノー・ゼロコロナ】習近平体制は強権的で厳格なロックダウンを実施し、統計データの信頼性の問題はありますが、感染拡大の押さえ込みに成功して来たように見えます。しかし、オミクロン株など感染力の強い変異株が広がる中で、強権的であるがゆえに、ゼロコロナ政策を見直すことが不可能になってきています。現在西安市などでロックダウンに入っています。

これは、感染拡大の封じ込め失敗につながり、経済混乱を招く可能性が高いと思われます。習体制による社会・経済統制の強化と、それに対する不満の増大が予測されます。中国経済の低迷が続けば、世界的なサプライチェーンへの打撃も深刻化することになります。

【巨大IT企業が国家並みの影響力を持つ世界】コロナ禍で世界的に起きたGAFAなどによる言論統制は、目に余るものがありました。在任中の米トランプ大統領のアカウントが凍結されたりして、考えもしない事でした。現在でも、日本の保守陣営のYouTubeがBANされたり、「コロナ」という用語を入れた記事をアップしようとすると、わざわざ、コメントが付記されて公開されるというようなことが起きています。

米大統領のアカウントまでも停止させるパワーは、一般に言われるDSの指令なのでしょうが、正に、ジョージ・オーウェル「1984」の到来を想起させる出来事です。最近では、気候変動に反対するような動画もBANされると聞きましたが、実際、こういうことが起きているのでしょうか?

【脱炭素で二歩前進一歩後退】脱炭素による短期的エネルギー不足が欧州を中心に起きています。暫くは、こういう状態が続くのでしょう。

【価値観の戦いに敗れる企業】米中の経済戦争、価値観戦争の煽りを受けて、環境や人権対応などの関連で企業が大きな影響を受け、その費用も大きいという内容です。思い出されるのは、米国の国防権限法ですが、米国の国防予算の大枠を決めるために議会が毎年通す法律です。

2018年8月13日に成立した19会計年度では、中国に情報や技術が流出するのを防ぐため、輸出規制を強化したり対米投資の審査を厳しくしたりする対中強硬策が盛り込まれました。中国への警戒感を強めている米議会が超党派の賛成で可決し、トランプ大統領が署名したものでした。

2019年8月にファーウェイやハイクビジョンなど中国5社の製品やサービスの政府調達を禁じる「第1弾」を施行、2年後の20年8月に中国5社の製品などを使う一般企業からの政府調達を禁じる「第2弾」を実施しています。対応を迫られる米産業界は準備期間が足りないとして施行の延期を求めていたが、米政府は予定通りの実施を決めました。

この関係で、日本の企業の中にも、中国新疆ウイグル地区などビジネスを展開しているという理由で、企業名を特定されたところがあったように聞いています。人権抑圧した状態で部品や製品の一部を製造しているというのですが...


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