存在理由

ハナミズキが咲いた
ずいぶんと早い
ある場所で咲き
その場所で散る

人は感情と縁から生まれる
縁は自ら選べたり
分からなかったり
縁の選択は人生の選択

肯定と寛容
否定と不寛容
指摘や押しつけ
気持ちは鬱屈になる

性格を疑う出来事
気分の良い出来事
気分の悪い出来事
縁の選択は感情の選択


人は本当にわからない
多くの人は肝心なことに沈黙し
利益無きことに関わらぬ
ずっと何故なんだろうと考えた


観ている世界が違う
同じだと思っていた
世界は全く違った
全く異なる世界を生きていた


大人であっても
歳を重ねていても
親であっても
先生であっても無謬では無く


皆幼い頃からつくってきた
主観によってものごとを見ている
主観は思い込みという自我
良いと悪いを判断するエゴ


子供が子供を育てているという
皆似たりよったり
負の思い込みも良い思い込みも
価値観は子の世代に引き継がれる


肯定を相手に望んだとき
人は傷つきの種を蒔く
思い通りの反応は望めない
思い通りの答えは望めない


長きに渡り気持ちの良い人は
大切にしよう
稀有な心と言葉の相性だ
世界を共有する大切な人


そんな人に出会うなら
人生は喜びに満ちる
喜びの種が撒かれ
喜びの花が咲くからだ


人は一人一人
全く異なる縁を生き
異なる世界を生き
異なることを知ること


経てきた縁が分からずば人は見えず
どう生まれどう育まれ
どんな道を歩いてきたのか
どこにいたのかどう生きてきたのか


今ここにいる理由
認識が存在の理由
この場所にいる理由
この縁に囲まれている理由


これで正しいだろうか
間違っていないだろうか
正しいも間違っているも無く
いまの認識がこの経験と縁なのだ


良いも悪いもない存在理由
何もせずとも存在理由
病で寝るのも存在理由
面倒を見られるのも存在理由



ハナミズキが咲いた
咲く時季に遅いも早いも無く
淡々と事象を捉え
ありのままを観ることのできる認識を育くむ

ハナミズキ