ワークショップ型研修で「3つの大切なこと」
こんにちは、よさそう®です。
講義のみの形式から、参加者同士の対話などを盛り込むワークショップ形式の研修が増えてきています。
私は15年ほど前から企業内外で社会人を対象にワークショップやワークショップ形式の研修を行ってきました。
私の失敗から、社会人を対象にするワークショップのプログラムデザインで大切にしている3つをご紹介します。
この記事の対象者
ワークショップ型研修の導入を検討している企業内研修ご担当者
ワークショップ型研修をやってみたい研修講師
ワークショップ型研修をやっていて、なんだかちょっとうまく行っていないと感じられているかた
ワークショップ型研修にご興味あるかた
1.参加者はワークショップ形式を望んでいない
「ワークショップ形式のほうが、参加者同士が楽しく話せていいんじゃないか?」だったり、主催者が”ワークショップ好き”だったり、色々な理由で”ワークショップのほうがいいだろう”という理由で、ワークショップ形式の採用をご検討だと思います。
ですが、社会人は研修に「ワークショップ」=強制的に参加者同士で話すことを望んでいないのが実情です。
業務時間を割いて研修に参加させられているので、いかにして早くストレスなく終えたい!!という熱い思いを持っている方が多いです。(私も研修に参加させられる側としてこんな思いでした。)
そこに来て、知らない人だったり、あまり関係性もない顔見知りの社員と話すのは、そうとうなおしゃべり好きじゃないかぎり”苦痛”なのです。
なので研修にワークショップ形式を取り入れようとするうえで、プログラムデザインに携わる人は、参加者がワークショップ形式を望んでいないという前提で取り組み始めましょう。そしてこの思いを常に心の片隅に置きながら、ワークショップに参加したくない人でも、気づいたら参加してよかったと思ってもらえるような設計を心がけましょう。
2.アイスブレイクではなく、ゆっくりあたためる
ワークショップ形式を望んでいない人が集まるなか、「さあ、アイスブレイクです!」と始めてしまう講師の方、ちらほら見かけます。
アイスブレイク、すなわち「氷を壊す」って映像を想像してみてください。どんな様子が浮かびますか?
氷の塊をアイスピックでかち割る瞬間、氷山が崩れ落ちる瞬間、真夏に氷窟から切り出された氷が割られる瞬間。
どれもものすごい力が氷にかかっていますよね。
みなさん、ご自身の気持ちにそんなことされたらどう感じますか?
少なくともあまり嬉しいものじゃないんじゃないかな、と私は思います。
だけど”ワークショップ”という名がつくと、平気で”アイスブレイク”しちゃう現場を多くみました。私も自分の失敗経験を思い返すと胃が痛いです。
だから壊すのではなく、場をゆっくりあたためていくプログラムデザインを心がけましょう。いきなり心理的ハードルの高いワークから入るのではなく、誰でも簡単に無理なくできることからを心がけ、ゆっくりと気持ちがほぐれるような作りにすることが大切です。
3.”逃げ場”を作る
じっくりと場があったまったとしても、やはり居心地の悪さだったり、初めての人とテーブルを囲み続ける緊張感はあるものです。
さらに研修ということで「決められた場所に居続けなくてはならない」のを強要されることにも心理的な辛さがあるものです。
だから”逃げ場”の設計がとても大切になります。
私が作る”逃げ場”としては、座席以外の場所にお菓子コーナーを作ったり、テーブルのうえに手遊びできるようなペンや紙を用意します。
お菓子コーナーには、チョコレートや飴、おせんべいなどさまざまなお菓子を用意します。休憩時間にふらっと立ち寄ってお菓子を選びながら、そこに一緒に立った人と自然と会話がはじまったり、お菓子コーナーから見繕ったものをテーブルの人にシェアしたり、「あれがおいしかった」といった会話が生まれるもとになったりします。
また講師やファシリテーターの視点からは、気になる方と休憩中に自然と話せる機会を作れたりもします。
おかしのまちおかさんで、2,000円も買い込めば立派なお菓子コーナーが作れます。このくらいの投資で場があたたまり、参加者の緊張感がほぐれますので、ケータリングのコーヒーを頼むよりも投資対効果が大きいので、とてもお勧めです。
むすび
ワークショップ型研修を作るかたは「ワークショップのほうがいい!」という思いをお持ちの方が多いかと思います。
ですが参加者の側にたってみると、もちろんワークショップが楽しいと思ってくれる人もいれば、楽しくない人もいます。
そして楽しくない人にとってみると、講義型の研修と違って、他者との交流を強制されたり、発言を強制されたりと、かなり辛い場になってしまう恐れがあります。
今回ご紹介した3つを念頭において研修を設計される際に、少しでもご参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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