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読書感想「お金の流れで見る戦国時代」

こんにちは、よさそう®です。

今回の読書感想は「お金の流れで見る戦国時代」です。戦国時代の話がとても好きな私ですが、経済の側面から歴史を見るという点に惹かれて読んでみました。

こんな人におすすめ

  • 戦国時代が好き

  • 日本史が好き

  • 経営戦略やマーケティングに携わっている

  • なぜ武田信玄が上洛できなかったのかを経済の側面から知りたい

私の感想

戦国武将といえば大河ドラマや年末年始のドラマなどで、勇ましくかっこよく「戦じゃーーー!!!」という印象があります。
でもよく考えてみると、領国経営が成り立っていないと、武器も買えないし、兵士も雇えません。
ましてや「戦じゃーーー!!!」もお金や食べ物がなければ、始めることも続けることもできないものです。お金、兵士、食べ物といった資源を有効に活用して領土を守ったり、広げたりする。これってまさに現代の経営やマーケティングと同じことなのです。
この「お金の流れで見る戦国時代」は、経済や経営という視点から戦国武将たちを評価している面白い一冊でした。

特に「第3章 織田信長の”錬金術”を徹底調査」と「第4章 税金オンチ・武田信玄は”破綻寸前”」は、戦国最強といわれながら上洛を果たせなかった武田信玄と、弱小と思われていたけれど破竹の勢いで上洛した織田信長の違いを経済の側面から捉えていて、とてもおもしろいです。

楽市楽座で有名な織田信長は、中間搾取の構造を取っ払うことで、モノの流れをよくして、民間経済の競争を促進しました。モノが流れるということは、物流量が増え、お金の流れも増えます。それらが増えるということは人の増えていきます。しかも減税や余計な年貢の取り立てを取り締まったりと、領民にとって住みやすい国造りをしていたのだそうです。そうなるとさらに人口は増えるでしょうし、よその国に逃げていったり、税金逃れもしなくなるでしょうから、尾張国からの税収は安定的に増加していったことが伝わってきます。

一方の武田信玄は、そもそも灌漑工事をしなければ農地として不適格な甲斐国が拠点で、しかも農地が少ないから重税を課さなければ領国経営すらままならないという状況でした。しかも第4章によるとさらに人頭税やなんやらかんやらで兎にも角にも領民には税金が重い国だったそうです。しかも当時の価値観なのでしょうが、寺社への寄進に多額のお金を費やしていたとのことです。
こうなると甲斐国を逃げ出したくなりますよね。でも逃げても税金の追手を送っていたとのことで、こんな領主のもとではきゅうくつな生活だったんだろうなあと思います。

この2人の武将の領国経営を現代の国家や企業にあてはめると、みなさんどちらの国に住みたいですか?もしくはどちらの企業で働きたいですか?
私は織田信長の国なら住みたいと思いました。企業としては兵士に厳しかったとのことで、働くには大変かもしれませんが(笑)

それからもし織田信長が甲斐国に生まれついたらなら、どんな政策をとったんだろうか?ということが気になりました。
織田信長なら寺社への寄進など無駄だからやめてしまっていたんでしょうね。今川、北条との三国同盟を最大限活かして、ちゃっかり駿河や小田原の港を貸してもらって貿易を促進したり、甲斐国でも楽市楽座を行って商業で国を大きくしていったのかしら、と思ったりしました。

この2人の武将以外にも徳川家康、明智光秀なども取り上げられていて、どの切り口もとても興味深いです。

ということで今回は「お金の流れで見る戦国時代」の感想を書いてみました。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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それでは、また。

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