見出し画像

圧迫面接という愚策をマーケティング視点から考察する

こんにちは、よさそう®です。

先日、学生と話したときにいまだに企業が圧迫面接をしていることを知り、椅子から転がり落ちそうになりました。
圧迫面接は人と人のコミュニケーション上、特に圧迫される側の心に、よくないことであるうえに、マーケティングの視点からもありえない愚行なので、私の考えを書いてみます。

圧迫面接とは?

新卒採用でも中途採用でも、企業による面接が行われます。そして面接の際に候補者のストレス耐性やコミュニケーション力を計る目的として、答えづらい質問をしたり、面接者が威圧的だったり興味のないような態度で振る舞うといったものです。

私も中途採用の面接で何度かそうした会社に遭遇しましたが、途中から私もやる気も失せるし「帰ってもいいですか?時間もったいないんで」と中座したこともあります(笑)

なぜマーケティング視点で考えると愚策なのか?

圧迫面接は、はっきりいって愚策です。とくにマーケットが縮小傾向にある日本においては、意味を成さないです。という視点から3つの理由を説明します。

ブランドイメージの低下と業績の低下

まず圧迫面接を受けると、候補者にとってその企業やブランドのイメージが劇的に低下します。イメージが低下するだけならいいですが、次回からその会社が作っているものや関わっているものを買わなくなります。

昭和の高度経済成長期ならまだしも、世の中は代替品に溢れかえっています。その会社のものじゃなければ絶対にいけない理由などないのです。

その結果、簡単にスイッチングされます。スイッチングされるとそれを持って帰ってくるためのマーケティングコストが非常に重くのしかかります。

新規顧客獲得コストと既存顧客維持コストを比べたら、そこには10倍以上の差があります。”たかだか人事部門”の都合だけで、これがどんどん壊されていくのです。
しかも日本は人口が減少。新規顧客を獲得することが困難。だから既存顧客を大事にする必要があります。

それなのに、わざわざみずから新規顧客の開拓期間を逃し、既存顧客が離れる行為を進んで行うなんて…

著しく低下したイメージが口コミで伝搬する

そして悪いイメージを受けた会社について、候補者からその周りに伝播します。人が悪い噂が好きな理由は、狩猟採集民時代からの名残で、悪い情報ほど生き延びるために必要だからです。

そして伝搬する情報には尾ひれがついて、どんどん大きくなっていきます。

さらに恐ろしいのは圧迫面接をやっているのに、マーケティング部門のインタビュー記事とかに「これからは口コミが大事」とかあると、もう寒気しかしませんね。

余談ですが私が面接を中座した会社については、ことあるごとに知り合いに「あの会社はやめておいたほうがいい」と話します。

将来の顧客を失う

耐久財業界の場合、将来の顧客を失います。特に人は嫌な思いをした対象については、根強く記憶しているものです。

特に新卒採用の場合、目の前のお客さまにはならないでしょうが、数年後、数十年後のお客さまを失います。さらにその世代に悪いイメージが伝搬します。そして徐々に離れられていくのです。

それでも新卒採用を辞めない理由

不思議ですよね、そうしたリスクがあるのに足切りと称して圧迫面接を続けるのって。
学生にはよくわからないかもしれません。そんなことするなら新卒一括採用をやめればいいのに、と。

だけど日本の企業の人事という人たちは、それを辞めないのです。
なぜならそれが楽だから。個別に学生がやってきて面接して、採用して、育成するなんてカスタマイズができないのです。

それなのに「お客様ひとりひとりにあわせた」なんていう宣伝を放っていたりしたら、自己矛盾が激しすぎて、一個人だったら人格破綻してますよね。

いっぽうで企業によっては新卒採用も分散していたり、入社時期も分散させている会社もあります。

これからはむしろそうした会社を選んだほうがいいんだと思います。

学生へ:圧迫面接する会社に入社しないほうがいい3つの理由

1.入社後もそのような扱いを受ける可能性がある

面接でそういう扱いをするということは、入社後の社内の仕事の進め方も圧迫的である可能性が大です。

追い込み」とか「激詰め」といった言葉で、けっしてロジカルとはいえない”論理思考かぶれ”な人たちに、その人たちの知識と想像力と理解力がなく、学習もしない人たちのために、よくわからない説明を延々と強いられる可能性があります。

なので圧迫面接を受けたら、入社後もそういうコミュニケーションがあると覚悟したほうがいいです。

2.社外とのコミュニケーションもそのようになる可能性がある

さらにそういう”文化”の会社は、取引先やお客さまとのコミュニケーションも圧迫的である可能性が高いです。

昨今、お客様はもちろんのこと、取引先との関係性も良好に築けないと、どんどん供給元から離れられていきます。実際、私もそういう会社との仕事はお断りしています。

その結果、誰からも協力されず、お客さまからも応援されず、業績が低下していくのです。

だからその会社のカスタマーセンターの対応などをSNSやWebで調べておくとよいでしょう。だいたい出てきます、相手を非常に不快にさせる対応とかが。

3.あなたも染まり、使えない人になる

そして、そんな環境に2,3年もいれば、あなたも立派な圧迫的な人になります。

人は驚くほど不思議なくらいに染まります。

そうなったが最後、なかなかその”人格”から抜け出せず、抜け出したいと思ったときには、その会社での方法が成功体験になってしまっていて、その会社以外では使えない人になり、そんな会社に一生居続けざるを得なくなっている可能性が高いです。

余談ですがそうした圧迫的な会社ほど、ポータブルスキルが身につかず、井の中の蛙状態な人たちが多いと思います。


はい、ということで今回は圧迫面接がマーケティング的な視点からみて愚策であることと、学生さん向けにそんなことする会社に入社しないほうがいい理由を書いてみました。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

よろしければいいね!やフォローをいただけたら、激しく嬉しいです。続けていく励みになります。

それでは、また!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?