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パンみみ日記「異性のタイプで4番目に答えたことが本質説」

日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。


12月3日(日)
大学の友人であるエコの結婚式に出席。今まで参列した式は「新郎の友人」か「新郎新婦の両方の友人」として行ったもののみ。「新婦の友人」として参加したのは初めてだ。

旦那さんは初めて会う人だった。笑顔が素敵で、エコが彼を眺める視線から信頼に足る人物だということがひしひしと伝わってきた。

新郎新婦の思い出ムービーが流れ、当時の記憶たちが頭に語りかけてくる。エコとは登山サークルで色々な山へ合宿に行った。山道をひたむきに歩きながら、数々の話をした。好きなドラマのこと、将来子どもができたらつけたい名前のこと。夜はテントで明かりをつけ、お腹をよじらせ笑い合った。

「私、次の合宿はよさくと登りたいの。すっごく安心できるから」

3年生の時にそう伝えてくれた言葉が、どれだけぼくに安らぎを与えてくれたかエコは知ってるかな。

そんなエコが、結婚する。学生時代から仲が良くて、社会人になってからも年に一度は会っている。恋愛対象として全く意識しなかったというと嘘になるけど、ずっと不思議な距離感だった。

一緒にいると落ち着くし、話せばフッと笑顔になれる。近すぎず遠すぎず、肩肘張らずにいられる温度を保ち続けた。お互いに踏み込みすぎず、穏やかな間柄で時は流れた。

エコはいつもご機嫌で、人の良いところを探して言葉にしてくれる最高の人だ。旦那さん、どうかどうか幸せにしてほしい。エコ自身、幸せになる力を持っているけれど、もっともっと彼女は幸せになれる。気がつけば、祈るように念を送っていた。

披露宴が終わり、席を立つと式場スタッフが「テーブルのご案内物は全てお持ち帰りできますので!」とネームプレートやらお品書きなどの持ち帰りを強めに勧められた。

隣にいたパピコ(愉快な後輩)に、「これ捨てられないですね。持って帰ってどうします?」と話しかけられた。

一緒に考えてみた。結果として、自宅のテーブルにネームプレートとお品書きを置き、「席どこだろ〜?あ!私の席だ!」と着席しつつ、お品書きを見ながら「今日のメインディッシュ、赤ワインが合うんじゃない?」とぶどうジュースを持ってくる「結婚式ごっこ」に興じるという使い方に行き着いた。

2人で「くだらね〜!」と笑い転げた。家でも結婚式はできる。

(エコもパピコも日記リメイクに登場してます)


12月5日(火)
お仕事。サポートのフミコさんと同行営業。フミコさんはメガネをかけた小柄な方で、毎回きめ細やかなアシストをしてくれる。絶大な信頼を置いている存在だ。

商談が無事に終わり、2人でランチへ。フミコさんと2人きりでおしゃべりしたことがなかったので、色々と聞いてみた。

「好きな食べものランキング、3位まで教えてくれませんか?」

唐突だけど、フミコさんなら受け入れてくれると踏んでいた。予想通り、フミコさんは微笑みながら丁寧に返してくれる。

「1位が魚全般。2位がおみそ汁。3位は…だし巻き玉子ですね」

ジャパニーズスタイル!この回答だけで信用できる人物だと判断できる!(気がしてしまう)

寿司とか焼肉とか、ありきたりのものかと思ってた。本当はその後に「3位までは肩慣らしです。7位まで教えてください。…それがあなたの本質です」と続けようとしていたのだ。

そこまで含めてネタバラシをすると、フミコさんが思い立ったように話し出した。

「その話を聞いて思い出しました。好きな異性のタイプを聞かれたときに、4つめに出てくるのが本当に求めている素質だって」

なにそれ!そういう信憑性まるでないけど妙に腑に落ちちゃう話大好き!そこからお互いに「異性のタイプ4位」までを発表しようとした。しかし、「4位に本質が来る」ことを意識してしまうと、寄せにいってしまう。結果的に本質は出てこないのでは?と議論に穴が生じてしまった。この質問は、何も知らない人にしか意味を持たない。

この話をしたことで、フミコさんと距離がグッと縮まった気がした。「この人なら心の奥底へ潜る深海トークができる」というアンテナが反応し、言葉をそっと置いてみる。

「ぼくは結婚したら同棲するのではなくて、マンションの隣の部屋に住むというのが理想だと考えるんです。こちらについてはいかがでしょう?」

すると、フミコさんがハッとした表情を浮かべた。少し間を置いた後、丁寧に言葉を並べていく。

「わたし、大学生の頃からずっとそれを提唱していました。当時は誰も理解してくれなくて…。そもそも結婚というのも、あくまで数ある手段の1つだと考えています」

(この感じ…!ニュータイプか!)というアムロの気持ちになった。「マンション隣の部屋族」発見した!親近感がどっと押し寄せてくる。というか、探せば同族意外といるんだけど…!

こんな風に、深海トークを語れる人を増やしていきたい。


追記:日記が長すぎて、パンみみ日記史上はじめての2日間で終わった

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