見出し画像

パンみみ日記「カフェと図書館に行くための鉄のかたまり」


日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。


4月12日(水)
会社。新年度で席替えをした。クマ兄(育成担当の先輩)は違う部署にいってしまって遠い。心細いなぁ。

隣の席には、今年定年の先輩が座っている。定年といえど、長身でガッチリしたおじさま。ずっと営業畑で、言いたいことはズドンと言うタイプなのだ。

4月から同じ部署ということで、ぼくもまだあまり話していない。なんならちょっとだけ「怖い人」というイメージがあった。親分的な雰囲気が強いんだもの。

そんなオヤブンが、突然話しかけてきた。

「よさくさんよぉ。ちょっといいかい」

な、なんだろう…!おそるおそるオヤブンに顔を向ける。

「俺たち同じチームなんだからよぉ、もっとこぉ、コミュニケーションとってこおぜ!まだ転職したばっかでわかんないことあるだろ!俺をクマ兄だと思ってなんでも聞いてくれよ!」

ひぃい!と思いきやいい人すぎぃぃ。情に熱いオヤブンだった。これからはオヤブンについていきます。

4月13日(木)
会社。わからないことがあり、早速オヤブンに質問した。男前に答えてくれた。頼りになりやす。

仕事終わりに、課内の飲み会があった。二次会で、オヤブンと同じ席になる。オヤブンが気持ちよく酔っ払いながら語り出した。

「おいおいみんな聞いてくれよぉ、今日よさくさんがさぁ、俺に2回も質問してくれんの!俺嬉しくてさぁ!年老いて役立てることなんてこれしかないのよ!」

かわいすぎかよ。「かわいすぎかよ」は合ってるかわからんけど、かわいすぎだよ。

4月14日(金)
仕事終わり。親友のミネくんがぼくの家に泊まりにきた。星座占いで順位の低い方が、順位の高い方の家に泊まりに行くというルールだったのだ。

しかし、ぼくの最寄り駅に登場した彼の姿を見て驚いた。衣類が少し入ったビニール袋を手に持っている。荷物は以上。「合宿所で洗濯機まわしにいくとき」の姿。

明日は共通の用事があるので一緒に向かう予定だったのだけど、ミネくんは「その前にサウナに寄りたいからこの状態で来た」とのこと。理由を聞いてもよくわからない。

とりあえず、一緒に焼肉を食べにいった。満腹の後は、ぼくの家へ。寝る前に、2人で「蛙化現象はなぜ起きるのか?乗り越える方法はあるのか?」について話し合った。

気がついたら2時過ぎまで話していた。どゆこと。お酒も入れていないのに。

話すという行為だけでこんなに一緒にいられるのは、後にも彼だけなんだろうな。


4月15日(土)
ミネくんと共通の友人であるサチコと3人で遊ぶ予定があった。ぼくの家から一緒に行く予定だったのだけど、ミネくんが「サウナ行って、自宅寄ってから行くわ」と言い出した。

ミネくんは7時に起きて、モゾモゾ準備を始めた。ぼくもサウナに誘われたが、さすがに眠すぎて布団をかぶった。

ウチから直接行けばよかったのに、謎すぎる。どんだけ朝サウナのモチベあるんだ…!?

11時に、横浜駅でサチコと待ち合わせ。ミネくんは30分ほど遅れた。ぼくの家に泊まっていたというのに、2人とも別の時間に着くというミステリー。

ミネくんとサチコは、前の会社の同期。2年前は全員東北にいたので、よく遊んでいた。今は全員職場が東京になったので、集まろうということになったのだ。

中華街をブラブラと歩き、赤レンガのカフェでじっくりと話し合った。みんな独身で恋人もいないので、周りが結婚しだしていることとか、将来について考え始めていることにモヤモヤとする気持ちを共有した。

なんだか置いてかれているような気持ちにもなるけど、結婚を今すぐ目的にする気分ではない。なんとなるんでない?という楽感的な気持ちもある。けれど、あぐらをかいていたら本当に取り残されるのでは?という気持ちもある。

あーむずかし!けれど、同じような気持ちを分かちあえる人たちがいることが救い。できるまでだけど、みんなで励まし合っていこうね。


4月16日(日)
1日予定がないので、お気に入りの図書館まで車を走らせた。

そもそも、北海道から引っ越した際に車を持ってきたのだけど、全然活用しきれてない。電車で事足りてしまうことが多いのだ。

でも愛車は手放したくないなぁ。でも生活費におけるインパクトくそデカいんだよなぁ。と考える。しかもぼくは、1人であまり遠出はしないのだ。

最近、マイカーがもはや「カフェと図書館に行くための鉄のかたまり」と化している。

心の中でこのことをつぶやいたとき、「費用対効果悪すぎる物体だろ」というツッコミが思い浮かんでしまった。

だけど、ぼくは鉄のかたまりを愛している。


4月17日(月)
最近、職場の近くに図書館を見つけた。早く仕事が終わったので、寄ってみる。

(業務後に図書館で本を読むなんて、なんて理想の姿だろう。転職前に描いていた夢だ…)なんて気持ちで席につく。

歴史に関する本を読んでいたのだけど、殴られるような睡魔に襲われた。社会人になってから、19時台に眠くなることはあまりなかったのに。「図書館×歴史本」のコンボが強すぎる。

机に突っ伏して寝た。途中で少し起きて本を読み進めるも、全く内容が頭に入らない。また夢の中へ…。

結局、やる気のない大学生みたいな図書館の使い方をしてしまった。誠に遺憾。転職前の自分に「素晴らしい環境をムダにするな」と怒られそうなので、明日は睡魔と戦うぞい。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,537件

#休日のすごし方

54,348件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?