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パンみみ日記「好きなものの理由を言語化しよう」


日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。

5月5日(金)
前に働いていた会社の飲み好きの後輩、ノミコからLINEがきた。なぜか一言だけ。

「ハリーポッター」

怖すぎるよ。転職したけど、一応先輩やねん。合言葉かなんかなのかな。なんにせよ、酔っ払ってるんだろう。

なんと反応していいかわからず困っていると、1時間後にメッセージが追加された。

「できたんですね!」

なんかこう、「よさくさん久しぶりです!」みたいのないのかな。身近に感じてもらえてるとしたら嬉しいけれども。

ありあまる行間を読むと「東京にハリーポッターの施設ができるみたいですね!気になっていて、一緒に行きませんか?」という意味らしい。LINEの文字数制限されてんのかな。

転職して1番嫌だったのは、「会社の同僚たちとのつながりがなくなってしまうこと」だった。だからこうやって、つながりを保ってくれるのが嬉しい。

もうちょっと伝え方あるけどね。


5月6日(土)
よさこいの練習。体験練習で参加している子がいて、駅から練習場所までおしゃべりをしながら歩いた。

その子が神奈川県出身であることがわかり、「自分もなんですー!」と話を続けていると、地元が一緒であることが判明した。しかも同い年で、共通の知り合いも発見。

「あそこのマックでバイトしてた」「あのスーパーの隣の塾に通ってた」「あの公園近くのTSUTAYAがとうとう潰れた」など地元トークが炸裂。

神奈川でもマイナーな場所なので、社会人になってから同じ地元の人に会うのは初めて。世間は狭い。TSUTAYA消滅は悲しい。

5月7日(日)
GW最終日。今日もよさこいの練習。あいにくの雨だったので、高架下に集合。

新しいチームで緊張してあまり話せていなかったけれど、徐々におしゃべりできる人が増えてきた。

風が強くて雨が横から吹き抜けてくるのだけど、「冷たいからよさくさんを盾にさせてください!」とぼくの隣に潜り込んでくる後輩がいた。

「ずるいー!」とケラケラ笑いながら押し合う。こういうのでさ、ちょっとずつ仲良くなっていけばいいんだね。

少しずつ少しずつ、自分の居場所が広がる。この感覚を、今は忘れないように。


5月8日(月)
GW明けの出勤。筋肉痛でバキバキの体を引きずり会社へ。歩きながら想いを馳せる。半年前は北海道で働いていたのに、今や住む場所も職場も休日の過ごし方も全く違う。

「半年もあれば、過去の自分が想像できないくらいの場所に立ってることがある」

最近こんなことを、よく思う。

あと自分の人生を数年スパンで区切って「ONE PIECE〜アラバスタ編〜」みたいなノリで「よさくLIFE〜東京転職編〜」などとつけている。 

東京転職編は始まったばかりだけど、なかなか登場人物が多くて盛り上がっている。けれども、読者的には「よさくLIFE〜鬼支社長襲来編〜」が1番主人公の成長度が高くて人気なんだよな。読者って誰だよ。

こんなことを考えていたら会社に着いた。さて、システムのパスワード忘れかけてるけど、頑張りますかい。


5月9日(火)
夜、ノミコから電話がきた。相変わらず酔っ払っている。北海道の職場に新入社員が配属されて、その子の歓迎会から帰ったところらしい。

「新入社員の子がかわいくて、コミュ力もあって、スタバ店員だったんです。完璧すぎじゃないですか?隣に立つの嫌なんですけどぉ」

自分が離れた職場にも新入社員が。ぼくがいない間にも、その小さな世界は動いている。

「よさくさんがいるときが良かったです。戻ってきてください」

戻るとかじゃないけどね。地元みたいになってるけど。けれど、ぼくも北海道のみんなを懐かしく思う。

転職して素敵な人に囲まれて、自分のやりたいことができている。今の仕事を選んだことに全く後悔していない。

けれど、前の同僚たちとの距離感は忘れられなくて。みんな転勤で来てるから友達はいない。だからこそ、職場の人と遊ぶしかない。

公園にピクニックに行ったり、ノミコの家でバチェロレッテ鑑賞会をしたり、大学生みたいに飲みあかしたり。

仕事も大変で、上司も嫌だった。けれども、それを糧にみんなで励まし合っていた。あの温度感は、もう手にできないんだと思う。

「よさくさん、来週北海道に来ません?」

電車で30分みたいな感覚で、言うなよ。


5月13日(土)
高校の友人と中華街でランチ。餃子やチャーハン、鶏とカシューナッツ炒めを頼んでシェア。たくさんの品数を頼んでしまいたくなるのが、中華の醍醐味だよね。

その友人と会うのは8年ぶりくらい。しかも、高校時代にめちゃくちゃ仲良かったとかではない。けれども、スルスルとおしゃべりが続いていく。

最近自意識が薄くなったというか、相手が話していることや好きなことに純粋に興味が持てるようになった気がする。だから自然に話せるのかな。知らんけど。

「自分が好きなものの理由を言語化しよう」というテーマで話をしていた。

ぼくはプロの歌手や演劇を生で目の当たりしたときに、心が激しく動く。スポーツ選手や、技術職人もそう。そして「この人はこの技術に達するまでに、どれほど血の滲むような練習をしてきたんだろう」と勝手に想いを馳せてしまう。

つまり、「至高の領域に達するまでの、プロセスに存在する努力が垣間見える瞬間」がたまらなく好きなのだ(垣間見えなくても勝手に妄想する)。

そんな極み領域が見られて、なおかつプロセスを応援したくなるコンテンツってなんだろうと考えた結果、「宝塚歌劇団の作品を観たい」という結論に辿り着いた。

元々宝塚は一度見たかったのだけど、きっかけがなくて。そんなこんなで、今度は友人と宝塚を観に行く約束をした。

ちなみに、ぼくは努力に感情移入したいので新人公演(入団7年目までのタカラジェンヌのみ出演)を推したのだけど、友人に説得されて一般公演にすることにした。

久々の友人と会うと、話が意外な方向に行ったりする。この予想外感が楽しい。

みなさんの好きなものの理由はなんですか?誰かと話すの、盛り上がっちゃうかも。

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