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【短編】道化は仮面を捨てられるのか。

自分のことかヒトのことか

現実か創作か、道化の話。


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僕は道化師、そう、顔にべったりとペインティングして誰だかわからないけれど、ヒトに笑いと嗤いを届けるやつだ。


そんな僕の子供の頃

いつも 自分にとって絶対である存在に

好きな事も 嫌いな事も 良いも 悪いも

全て否定されて笑われて

そのうち思っている事も正しくないのだと

不安になって、嫌だった。

自分がされて嫌なことはヒトにしてはいけないと言うけれど

でも自分にとって絶対の存在の

そういうところしか知らないから

それが正しいと思っていたから

他人にそれと同じように接してしまって

いつも他人とは後悔する結末を生んだ。


『お前には何も出来ない』と

言われるようになって

強く生きたくて 

こんな自分でも出来ると認められたくて

“僕”が生まれた。


けれどそれは認められるどころか

ある時から事あるごとに彼らに

『お前は捻くれ者だからなぁ』

と言われるようになった。

彼らにそう言われてしまっては

自分はそうあるべきなんだと思って

ずっとそう振舞った。

『今こう考えてたでしょ』なんて言われれば

さアどうでしょう、と

バレたかというように笑ってみせた。

実際そんな事考えてもいなければ

押し付けられたその感情自体 もうどうでも良かった。

自分がわからないから 自分がないから

学校の自由作文や自己紹介がいつも書けず

提出出来なかった。


“僕”はいつの間にか道化になっていた。

そんな僕をどうして君たちは軽蔑するんだろう?

僕は君たちの望んだ通りの“僕”を演じた筈なのに

あゝもう終演にしよう。



今はなんて気楽だろう。

それらと離れた今だから分かる。

彼らは彼らであって、

自分は自分の好きな事嫌いな事があって良いし

全てを論破するのが正しい訳ではないし

ヒトのイメージで出来た自分を

壊したって それこそが自分だし

それで良いんだ。


けど僕はまだ仮面を捨ててはいない。

その仮面をつけた僕が必要なヒトも居るから。

本当の自分を知って欲しくないヒトも居るから。

今日も世間の“普通”に紛れよう。

自分が一番気楽な形で。

今日も僕は幸せです。


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拙い文章を

最後までお読みくださりありがとうございます。

病んでないですw通常運行です。

さてはて本当か嘘か?ふふ、ご想像にお任せします。

あくまで道化の話です。

まァ一つ確実なのは、これを“彼ら”に見られたら公開処刑でしょうね。

厨二病?あはは、それを言ったらもう何も、

出来ませんよ。

たまにはこんな短編も良いかと思いました次第です。

それでは、また。





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