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もぬけの夜

命が混ざりあったあの深い夜に
私は私からいちばん遠ざかって
見知らぬ人となったのだ
あたかも
世界がへし折れる音とも似て
底に転がる破片の残骸を抱いて
そのどちらをもが愛しく正解で
また皮膚一枚隔てた内と外を
しんしんと夜の重みに沿わせて
眠りにつくのだ



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