「孕」


十月十日の束を一括りにして
捨てましたの
ちちはは埋めた小川のほとりに
幾重にも蔦絡め重石をして
雁字搦めに捨てましたの
二度と憂き上がらぬようにと
藍染めの鯉がその様子をぢっと視ていました
嗤ったかも
否、拙い歌だったのかも
それでも捨てましたの
物質ではないものを
再生はしないものを
肉が腐る躯には骨だけが忽忽と
加速を増しては


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