1月の短歌
あなたから年賀状が届いてる 手書きの よろしく そっと撫でる
色白のあなたが吐いた白い息 ちゃんと生きてると安心する
ババ抜きのカードを選ぶ指先がわたしの心乱してくるの
読書する君の横顔が覗き見る世界を見守る天使のよう
ゆっくりと膨らんでいく切り餅を見つめながら頬を膨らませ
夢をみる あなたはいつも笑ってる 良かった むこうじゃたのしそうで
丁寧にフォークでケーキ崩してく ちょっぴり悪い顔をしながら
少しずつ薄まっていく新年の透明な気持ちと穏やかさ
君のこと諦めたくて今日だけはわたしが先にばいばいを言う
初雪を仰ぎ見る君 手を伸ばし お迎えきたみたいと微笑む
いつの間に消えてしまった初雪と いなくなれなかったわたしたち
電卓で足して引いてを繰り返し君と目が合う確率をだす
ビーカーで食塩水をつくる君 天使が雲をかきまわすよう
いいかげんサラダ記念日忘れてよ たんぽるぽるをすすめるあなた
こっそりとリップクリーム塗り直し今から天使の代弁者に
みつあみを編んだぶんだけ願ってる君にリボンを解かれること
こんなにも好かれてるのに気づけない君の代わりに僕に頂戴
言わなくちゃわからないよと君は言う わかり合えない僕らは他人
死んだあとフォロワー増えてバズってる消費されゆく君の人生
目の前のあなたが笑う くだらないことで笑ってくれる幸せ
君だけが拾ってくれるそれだけでどうしよもない僕が救われる
君のこと笑わせる為いつだって本気なんだよ僕にとっては
お砂糖をカップにいれるその度に満たされてないと実感する
珈琲の苦さを愛すあの人はひと足先に大人になって
東京でGoogleマップひらいても現在地から動けぬままで
本当は甘くないんだ恋なんてでも甘いほうがすきなんでしょ
誰からも愛されているあの人はきっと誰も愛してなくて
どろどろに溶けたアイスクリームと忘れられない恋のしつこさ
半年も更新なしのTwitter 君はホントに死んでしまった
インスタのDMだけで会話する僕たちずっと友達未満
あなたの五感をレンタルしたら世界を美しいと思えるかな
全米が泣いた映画で泣くことがなかったわたしと泣いた彼女
女の子だから恋愛映画を好きじゃないといけないんだってさ
満開の桜とあなた 目を閉じたその隙に消えてしまいそうで
再会が半年後でも待ち合わせして第一声はおはようで
死にたいと思いながらも黙々と食べ続けてるビックマック
朝焼けが綺麗に線路染めるから汚すまいと今日も生きてる
作品をまとめて本にしたいです。よろしくお願いします。