逃避行

「死にたい」は自分をまもるためのおまじないである、自転車の鍵を捨てて海まで歩こう、潮のにおいと波の音、先に気づいたほうが勝ちね、砂浜にのみこまれないように、磨いたばかりのローファーで波打ち際にむかう、きみと目が合う、生きてるね、僕もきみもたとえ死んだとしても、僕やきみであった肉体や生活の痕跡や卒業アルバムのくそださ写真も無くならないし、人生で関わった他人の記憶からは居なくなれなくて、それは僕たちの望む「死」とは遠くて、「死にたい」という感情はやっぱり誰にも理解されないし共有できないから、今日も生きてるよ、


作品をまとめて本にしたいです。よろしくお願いします。