見出し画像

「春夜」

春を思う度、自分が遠くへ行く気がした
春の雨の匂い
静か
静かな夜は気怠い

一人思い描いていた成功例
それ以上はもう面倒で
見上げたちっぽけな天井へ
放り投げた言葉「明日の僕へ」

きっと泣かない方が泣くよりはいいのだろう
都会の街並みが水面に溶けた
きっと泣かない方が泣くよりはいいのだろう
こんなの鬱でもなんでもないのだから
きっと泣かない方が泣くよりはいいのだろう
これ以上何がいるというのか

取るに足らない夜の帳
電波に乗った感情が
コピペしてきた青写真
時間に風化した記憶が
ただ麗らかに春めいた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?