変わった先生#4

(だいぶ時間が空いてしまいましたが笑。詳しくはこちらから⇓ ⇓ ⇓)

そしてやってきた文化祭。クラス別で模擬店やら演劇などの計画を練ってますが、僕の学校は1年生は合唱、2年生は模擬店、3年生は演劇と模擬店という仕組みでした。まぁ3年生は最後ですし、演劇をして会場の笑いをかっさらって高校の思い出を残すのでしょう。

(ちなみに、僕が高3の時はクラスは演劇をしてましたが、僕は参加してません。理由は学校へ行ったり行かなかったりの繰り返しでクラスに馴染めず、当日は保健室でポケモンをして時間を潰していましたが、「せっかくだから一緒に学校回ろ」と保険の先生に連れられて、その辺を歩いてました。それはそれで楽しい思い出でしたけどね。)

クラスでは何を歌うかを決めてましたが、あまりいい案が浮かばず、結局先生が好きなモンゴル800の「小さな恋の歌」を歌うことになりました。どうしてその曲になったかといいますと「曲が決まらなかったら、僕の好きな曲を歌いませんか?」と先生の前置きがあったのですが、最終的にはこうなりました。

そうと決まれば全員で練習をしなくてはなりません。文化祭にむけて歌の練習をほぼ毎日早朝からしてましたが、ある日事件は起きました。

それは朝学校に向かうバス停のことです。僕が通ってた高校は最寄りの駅から少し離れているため、バスで行かなくてはなりません。また、電車を乗り継いで来る生徒もいるため、朝の時間帯は学生でごった返しながら、高校行きのバスを待ちます。

高校で知り合った友達と朝駅で待ち合わせて学校へ向かうのが、高1の頃のルーティーンになっていましたが(そこまで大層なものじゃないか)、その日は友達との時間が合いませんでした。

仕方なく同じ高校の制服を着た生徒ばかりの列に並んでいました。すると少し前で並んでいた4人程の男子グループの内のひとりがこちらへ首をふっと向けます。

「あれ、尾崎君。」

声の主は同じ中学の同級生。その人とはたまに話すこともありましたが、そこまで仲良くはありませんでした。こんな表現をすると彼に対して申し訳ないですが、周りの人達からもあまり評価がよくない人でした。デリカシーが無いといいますか、自己中心的といますか、とにかく色々と噂があった人でした。

「あ、うん。」

突然かけられた言葉に何を返せばいいのか分からないまま、とにかく会釈はします。

「尾崎君なんかあれやな、友達いなさそうに並んでいるな。」

そう彼が言った瞬間周りの視線が僕の方へと注がれます。

「おい〇〇。やめとけや(笑)」

男子グループの内のひとりが少し笑いながら彼の腕をはたきます。バシッという乾いた音が響くと共に、僕の中でも何かバシッという音が響きました。当時の僕がその時どんな気持ちだったかは細かくリアルには覚えてません。ただ、悔しさに似た感情と本当の事を言えないもどかしさのようなものが、入り混じっていたことを今でも覚えてます。

「いやいや、普段一緒に並んでる友達と時間合わなくてさ。」

そんなことを言えばよかったかもしれませんが、とっさにそんな言葉が浮かぶだろうか?頭の回転が悪い僕にとっては尚更です。

タイミングを計ったかのようにバスが来ます。

今ここで死にたい。それか今すぐに世界に爆弾を落としたい。

僕はバスに乗る直前で列からはみ出し、急ぎ足で来た道へ帰りました。

それが人生で始めて「学生は学校へ行かなくてはならない」といった、漠然とした社会のルールを破った瞬間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?